国内

自衛隊機がアフガン人輸送 活動再開は不透明

 イスラム原理主義勢力タリバンが実権を掌握したアフガニスタンに残る邦人らの国外退避に派遣された自衛隊機が、26日にアフガン人14人を首都カブールの空港から隣国パキスタンに輸送していたことがわかった。日本政府は27日にも邦人1人を退避させており、計15人を移送したことになる。一方、カブール空港の退避支援要員は27日に現地から撤退しており、さらなる対象者の輸送は困難になっている。

 日本政府関係者によると、14人の輸送は米軍の要請に基づき実施した。日本政府が輸送対象としていた大使館や国際協力機構(JICA)の現地スタッフやその家族ではなく、パキスタンから日本に移送する予定はないという。27日にカブール空港からパキスタンに輸送した邦人は、共同通信のカブール通信員を務める女性(57)。

 現地には個別の事情で即時退避を希望しなかった少数の邦人や、退避の希望を示した輸送対象のアフガン人が約500人残っているとされる。ただ、日本政府は27日、カブール空港で情報収集や調整にあたっていた外務省職員らをパキスタンに一時引き揚げさせた。同空港を管理している米軍の撤退期限が31日に迫っているためで、退避希望者に対しては隣国から支援活動を継続するとしている。

 航空自衛隊の輸送機は現在、パキスタンで待機しているが、再度、対象者の輸送に向けてカブール入りできるかは不透明だ。政府は自衛隊法84条の4「在外邦人等の輸送」に基づき自衛隊機を派遣しており、「輸送を安全に実施できる」ことが前提になっている。これまではカブール空港を管理していた米軍の存在が「安全」の根拠となってきたが、予定通り31日までに米軍が撤退すれば、自衛隊派遣の前提が崩れる可能性もある。

 自民党の佐藤正久外交部会長は28日のBSテレ東番組で「日本の関係者は必ず救い出すという意思を早く示すことが必要だ」と述べ、タリバンと交渉して民間機による輸送も目指すべきだと訴えた。

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