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首相、幹事長ら党役員の刷新検討 二階氏も容認「遠慮せずに」

 菅義偉(すが・よしひで)首相(自民党総裁)は、二階俊博幹事長ら9月で任期が切れる党役員を刷新する方向で検討に入った。二階氏も幹事長交代を容認しているとされる。複数の党関係者が30日、明らかにした。首相は二階氏を政権運営の後ろ盾として重用してきたが、5年以上にわたって幹事長を務める二階氏には、党内で若手を中心に交代を求める声が強まっている。総裁選(9月17日告示、29日投開票)で再選を期すには、幹事長交代が不可避と判断したとみられる。

 首相は8月30日午後、官邸で二階氏と約30分間会談した。首相は追加経済対策の検討を指示する一方で、幹事長交代を検討していることも伝えた。これに二階氏は「自分に遠慮せずに人事をやってほしい」と応じたという。

 総裁選への出馬を表明している岸田文雄前政調会長は30日、国会内で安倍晋三前首相、麻生太郎副総理兼財務相と相次ぎ会談し、支援を要請した。安倍氏は党内最大派閥の細田派(清和政策研究会、96人)に影響力を持ち、麻生氏は第2派閥の麻生派(志公会、53人)を率いる。安倍、麻生両氏は岸田氏にエールを送ったというが、いずれも首相の再選を支持するとみられている。

 一方、政府・与党は野党が求めている総裁選前の臨時国会の召集を見送る方針を固めた。臨時国会を開催するかを見極めた上で総裁選の対応を判断するとしていた石破茂元幹事長は30日、記者団に「白紙だ。国会本来の役割を忘れてはいけない」と述べるにとどめ、出馬の有無に関しては明言を避けた。

 立候補に意欲を示していた下村博文政調会長は30日、出馬断念を表明した。これに先立ち下村氏は首相と官邸で会談。下村氏によると、首相は追加経済対策の検討を指示し、下村氏が出馬する場合は政調会長を辞任する必要があるとの認識を示したという。

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