国内

中国への技術流出「3ルートで取り組み」 井上科技相 (2/2ページ)

 --政府は今後、日本学術会議にどう対応していくか

 「日本学術会議は政府に対して政策提言をする。アカデミアの代表からの提言として受け止めて尊重するが、そのことによって何か日本の科学技術政策が決まるわけではない。政策判断はわれわれの側で責任を持って国民に対してやっていく」

 --安全保障につながる技術研究を禁止することについてどう考えるか

 「研究者一人ひとりがどういう研究をするかは、ある意味自由だ。そこを政府がどうこういうのは学問の自由の侵害みたいな話になってしまう。逆に安全保障に関わる分野の技術研究をしてはいけないというのは、これも学問の自由の侵害だ。学術会議もそこまでは言っていないと思う」

 --中国など海外に先端技術が流出する問題への政府の対応は

 「経済安全保障の観点から、留学生や研究者の受け入れ時の水際対策など政府全体で取り組んでいる。私の所管では、3つのルートから『研究インテグリティー』の確保を図る取り組みを発表した。一つは日本人も外国人も同様に日本で働く研究者に対して、研究者自身がどこから研究費をもらい、どういう研究活動をしているかなどの情報開示を求める。もう一点は大学や研究機関などの所属先が研究者の状況把握を徹底すること。3つ目はファンディング・エージェンシー(研究資金の配分機関)が研究者に情報を申請させ、確認した上で研究資金を配分するかを決めていくこと。この3方向からの情報開示を徹底する。もし問題が生じるようであれば、例えば研究費を渡さないとかいろいろなやり方ができる。年内にガイドラインを作成することも発表した」

 --総合科学技術・イノベーション会議(CSTI)のメンバーは首相を議長に官房長官、科学技術政策担当相のほかに総務相、財務相、文部科学相、経済産業相で構成され、防衛相はいない。科学技術を安全保障に生かす政府の考えは

 「安全保障に資する科学技術・イノベーションの重要性は論をまたないが、安保はCSTIで扱う議題の一部ということになり、今の体制で私は適切だと思っている。ただ、防衛相に臨時議員として首相が指名して入っていくことは今でも可能だし、実際そういう実績もある。テーマによってそういう機会も設けるべきだと思う。だからといって政府が安全保障を科学技術の分野からみて軽視していることはない。CSTIの下にも、官房長官を議長とする統合イノベーション戦略推進会議があり、そこで全閣僚がいろんな議論をしていく」(岡田美月)

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