海外情勢

米英豪が新たな安保の枠組み 米英が豪に潜水艦技術を供与へ

 【ワシントン=黒瀬悦成】米国と英国、オーストラリアは15日、3カ国による「インド太平洋地域の平和と安定の維持」に向けた新たな安全保障の枠組みを構築すると発表した。特定の国を名指ししていないが、中国の覇権的な海洋進出をにらんだ3カ国の連携強化が狙いであるのは明白だ。3カ国は連携の一環として、次期潜水艦の開発と配備を目指す豪州に対し、米英が原子力潜水艦の技術提供で合意したことを明らかにした。

 原潜技術の提供をめぐっては、米英が今後18カ月間かけて豪州の原潜建造計画を支援する。核兵器を保有しない国に原潜が配備されるのは異例。バイデン政権高官は、豪州に対して核兵器の技術が移転されることはないとしている。

 バイデン政権は中国への対抗に向け、日米と豪州、インドの4カ国による「クアッド」の枠組みを重視。24日にはワシントンで初の対面形式による4カ国首脳会議を予定している。

 「AUKUS(オーカス)」と名付けられた新枠組みは、クアッドと並行して英国も巻き込んだ米同盟諸国の対中連携を強化させていくものだ。

 バイデン政権高官は新枠組みについて「多様な防衛能力に関する協力を深化させる仕組みだ」とした上で「英国をインド太平洋地域の安全保障に密接に関与させることを促すことになる」と強調した。

 米英豪は今後、国防・外交担当高官による対話を通じ、サイバーや人工知能(AI)、量子力学などの新技術分野での協力の取り組みについても発表する。また、共同作戦能力の向上に加え、情報技術の共有の深化や、安保・国防関連の科学技術や産業基盤、サプライチェーン(供給網)の統合も図る方針という。

 豪州の次期潜水艦をめぐっては、2016年に当時のターンブル豪政権がフランスとの共同開発を発表していた。米豪からの技術提供が決まったのを受け、フランスとの開発計画は破棄される見通し。

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