国内

総裁選で6派閥、一本化せず 若手反発で乱戦模様

 自民党総裁選は17日告示され、岸田文雄前政調会長、高市早苗前総務相、河野太郎ワクチン担当相、野田聖子幹事長代行が争う構図となる。領袖(りょうしゅう)の岸田氏が出馬する岸田派(宏池会、46人)を除く6派閥は支持対象を一本化せず事実上の自主投票を決め、乱戦模様だ。1回目の投票で過半数を獲得する候補が現れず決選投票となれば、派閥の存在感が増すだけに、各派幹部は16日も検討を続けた。

 細田派(清和政策研究会、96人)の会長である細田博之元幹事長は16日、国会内で岸田氏と会談するとともに、同派幹部と対応を協議した。同派はベテランが推す岸田氏か、同派出身の安倍晋三前首相が支援する高市氏の支持を決めている。細田氏は岸田氏と決選投票での連携も視野に意見交換したとみられる。

 麻生太郎副総理兼財務相は16日の麻生派(志公会、53人)の会合で、派として支持する候補者の一本化を見送る考えを示した。同派では中堅・若手を中心に同派所属の河野氏を推す声が上がる一方、河野氏が「脱原発」を主張してきたことなどから政策を不安視するベテランらが岸田氏、一部の保守系議員が高市氏を支持している。

 麻生氏は「新たな政権ができたら、一致して支えていかなければならない」と述べた一方で、「権力闘争であることは、しっかり腹におさめてもらいたい」とも強調した。

 竹下派(平成研究会、52人)の16日の会合では、会長代行の茂木敏充外相が「個々の議員が置かれている立場や考えは尊重するのが基本だ」と述べて事実上の自主投票とした一方で、「最終的に一つの方向が出せればベターだ」とも語り、引き続き総裁選の対応を模索する考えを示した。

 二階俊博幹事長が率いる二階派(志帥会、47人)は16日の会合で自主投票とすることを決めた。決選投票になった場合は、まとまって行動することも確認した。二階派は若手議員らに河野氏を推す声が強い一方、高市氏や野田氏の陣営に入る議員がいる。

 岸田派は16日の会合で結束を確認した。座長の林芳正元文部科学相(参院議員を辞職)は「陣容も整いつつあるが、わが派が火の玉にならなければならない」と訴えた。石破茂元幹事長が河野氏支援に回った石破派(水月会、17人)と石原派(近未来政治研究会、10人)は自主投票だ。

 「一致結束箱弁当」といわれた派閥だが、今回の総裁選では若手が派閥の締め付けに反発を強めるなど様相が異なっている。16日、麻生派の議員が持ち帰った弁当の中身はばらずしだった。事務局によると好評だからという理由だが、派閥関係者はつぶやいた。

 「中身はバラバラだ、ということか…」

(沢田大典)

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