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共産「暴力」否定に注力 政府の認識は「デマ」

 共産党が革命の方法論としての「暴力」を否定する宣伝活動に力を入れている。過去に採用していた「敵の出方論」の不使用決定やテレビコメンテーターへの抗議などだ。立憲民主党との共闘で政権交代を目指す次期衆院選を控え、負のイメージを払拭したいとの思いがあるようだ。

 「共産党が相手の出方によっては非平和的方針をとるかのような、ねじ曲げた悪宣伝に使われる。この表現は2004年の綱領改定後は使わないことにしている」

 志位和夫委員長は8月4日の党創立99周年記念講演で、過去に「敵の出方論」との説明をしてきたと認めつつ、こう語った。9月8日の第3回中央委員会総会では「この表現は使わない」と決定した。

 共産党は昭和26年、革命を実現するために「軍事組織」による武装闘争方針を決定し、実際に各地で武装闘争が繰り広げられた。その後、方針を改め、登場したのが「敵の出方論」だ。33年の第7回党大会中央委員会報告で「どういう手段で革命が達成できるかは、最終的には敵の出方によってきまる」とした。

 志位氏の発言の通り、この表現も平成16(2004)年以降は使わなくなったとしているが、公安調査庁は現在も共産党を破壊活動防止法に基づく調査対象団体としている。「『いわゆる敵の出方論』を採用し、暴力革命の可能性を否定することなく、現在に至っている」とみているためだ。

 「暴力革命」をめぐっては今月10日、TBS番組で弁護士の八代英輝氏が「まだ暴力的な革命というのを党の要綱として廃止していない」と発言。共産党が強く抗議すると、同局は綱領には書かれていないと訂正、謝罪した。

 また、加藤勝信官房長官が14日の記者会見で「暴力革命の方針に変更はない」との認識を重ねて示すと、志位氏は同日、「まったく成り立つ余地のないデマ攻撃」と反論した。

 公安調査庁は、共産党が暴力革命の可能性を否定していない根拠として、不破哲三前議長の過去の論文の内容を挙げる。志位氏は16日の記者会見で「不破氏は論文の中で相手がいろいろな暴力に出てきたら、こっちも暴力でやるというようなことは書いていないと思う」と述べつつ、不破氏の論文を否定することはなかった。(原川貴郎)

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