海外情勢

安保理、COP26控え気候変動の紛争への影響議論

 【ニューヨーク=平田雄介】国連安全保障理事会は23日、国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)が10月末に始まるのを前に、気候変動が国や地域の安全保障に与える影響を議論するハイレベル会合を開いた。洪水や干魃(かんばつ)で不足する食糧や水をめぐる争いが国や地域で紛争に発展し国際社会の脅威になることが懸念されている。

 安保理議長国のアイルランドによると、2019年に急激な天候の変化による災害で家屋を失った人は140カ国計2490万人に上る。今会合の狙いを各国に伝えた文書では、人々の生活を脅かす事例として1963~2001年の間に95%の面積を失ったアフリカ中部チャド湖を挙げた。

 チャド湖が縮退した理由は気候変動と農業用水での利用。湖周辺のチャドやナイジェリアなどの4カ国では510万人が飢餓に陥り、1050万人に人道支援が必要とされる。生活環境の悪化で住民対立やテロが活発化し、一帯では今年6月だけで96人が死亡した。

 国連のグテレス事務総長は会合で、途上国が気候変動に対応するには年間700億ドル(約7兆7000億円)が必要との試算を示し「先進国の資金供与が欠かせない」と訴えた。

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