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日本、インド引き込みが奏功 日米豪印首脳会談

 日本、米国、オーストラリア、インド4カ国(クアッド)の首脳が24日に初の対面での会談を開催することになったのは、伝統的に「非同盟」の立場を続けてきたインドが積極的になったことが大きい。対中国を念頭に日本はインドとの2国間関係を強化してきており、働きかけが実りつつある。

 「(法の支配などの)『自由で開かれたインド太平洋』の実現に向けた重要なパートナーだ」

 菅義偉首相は23日、クアッドの首脳会合前に会談したインドのモディ首相にこう語りかけた。対面の会談は初めてだったが、次第に打ち解けた雰囲気になったという。

 クアッドの原点は2004年のスマトラ沖地震の際の4カ国の被災地支援だ。以前は当局間の会合を開いても公表しないことがあったというが、17年が過ぎ、ようやく初の対面の首脳会合が実現する。外務省幹部は「要するにモディ氏が出てきたということだ」と解説する。

 インドは特定の国と同盟関係を築かず、全方位外交を展開してきた。ロシアからは武器を輸入し、中露の主導する上海協力機構(SCO)や、新興5カ国(BRICS)にも参加する。

 日本政府は表向き、クアッドについて「対中包囲網ではない」として、軍事同盟にすることも考えていないと強調する。インドの離反を招かないためだ。

 一方で、安倍晋三前首相は中国を念頭にインド太平洋構想を打ち出す中、モディ氏と相互往来を重ね、関係を築いてきた。政府関係者は「日本は伝統的にインドと(対立する)パキスタンと等距離で外交を行ってきたが、安倍さんはインドにかじをきった」と打ち明ける。菅首相も今年4月末からの大型連休中にインド訪問を検討していた。

 そのインドがクアッドへのシフトを強める「分水嶺になった」(外務省幹部)とされるのが、新型コロナウイルス禍にかかわらず、各国外相が顔を合わせた昨年10月の東京での会合だ。インドとしては、中国の影響力がアジア地域で拡大していることに加え、国境付近で中印両軍が衝突し、昨年6月に45年ぶりに死者が出たことも後押ししたとみられる。

 とはいえ、太平洋に面する日米豪と、そうではないインドの関心事は必ずしも一致せず、気候変動問題などでは立場も異なる。中国との関係が改善すればインドがクアッドから距離を置く恐れもあり、具体的な協力の積み重ねが欠かせない。(ワシントン 田村龍彦)

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