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連合新体制 求心力低下に懸念、政治活動が課題

 連合の次期会長と次期事務局長は、役員を改選する定期大会が目前に迫った段階で、初の女性会長と初の官公労組出身事務局長のコンビに固まった。人選が遅れた最大の要因は、神津里季生会長と相原康伸事務局長の政治路線に対する組織内の強い反発だ。10月に発足する新執行部は目前に迫る衆院選への対応や、政治活動で傘下の労組をどう統率するかなど課題が山積している。

 連合の会長、事務局長の人選は2年に一度、10月に開かれる定期大会を控えた8月の中央執行委員会に、役員推薦委員会が報告するのが慣例となっている。

 今回は役員推薦委が新会長を打診した複数の民間産業別労働組合(産別)のトップが固辞した。会長選立候補受付期間の9月22日までに届け出がなく、連合は締め切りを30日まで延長する異例の措置をとった末、27日の役員推薦委で芳野、清水両氏の推薦を決めた。

 人選が難航したのは、神津執行部の政治路線の継続を民間労組系が嫌ったためだ。

 連合は次期衆院選で立憲民主党と国民民主党を支援する方針だ。だが、電力総連をはじめとする産別は、立民が綱領に「原発ゼロ」を明記したことに強く反発した。立民が連合と歴史的に対立関係にある共産党との共闘を深めていることも問題視しており、両党の共闘を事実上容認してきた神津執行部に対するアレルギーは強い。

 複数の関係者によると、神津氏と二人三脚で現在の路線を進めた相原氏の会長昇格案は、相原氏の出身労組を含む民間労組の反対で消滅。次善策として官公労組が求めた相原氏の留任案も産別が受け入れず、結果的に清水事務局長案で妥結した。

 芳野氏をめぐっては、出身産別で会長を経験していないことや、出身産別が組織内国会議員を出していないため「連合執行部の求心力は低下する」と語る野党関係者もいる。清水氏にも「日教組出身の事務局長のいうことを民間産別が聞くはずがない」(元連合組織内国会議員)との指摘がある。組織運営や政治との関わり方をめぐり、新体制はいきなり正念場を迎えることになる。(原川貴郎)

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