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「連続比例復活」返上期す自民 因縁の衆院衆院6区

 自民党は次期衆院選に向け「選挙区で連続2回以上敗れ比例代表で復活当選した議員は、原則、比例重複立候補を認めない」との方針を打ち出している。選挙区事情などを踏まえて例外扱いとするケースも多いとみられるが、該当する現職議員たちの危機感は強い。衆院埼玉6区に立候補を予定する中根一幸氏(52)もその一人だ。選挙巧者として定評がある立憲民主党現職の大島敦組織委員長(64)を相手に、退路を断つ覚悟で戦いに臨む。

 「情勢は楽ではない。背水の陣だと思ってやっている」

 中根氏は1日、さいたま市内での記者会見でこう述べ、選挙区勝利へのこだわりを強調した。

 「背水の陣」という言葉は、比例重複が認められない可能性を想定したものにほかならない。もちろん、例外扱いとされる余地も皆無ではないが、中根氏周辺は「比例はないものとして戦う」とその覚悟を代弁する。

 中根氏は平成26年と29年の衆院選で2回続けて選挙区で大島氏に敗れ、比例復活当選に甘んじた。29年の得票は、中根氏の9万2222票に対し大島氏が10万6448票。大島氏が公認を受けた旧希望の党が激しい逆風にさらされた選挙だったことを勘案すると、地力の差は歴然としている。

 しかも、過去2回の衆院選がいずれも共産党候補を含む三つどもえの戦いだったのに対し、次期衆院選は一騎打ちとなる見通しだ。「非自民票」が分散しにくい構図となり、中根氏にとって格段に厳しい選挙となることは疑いようがない。

 新型コロナウイルスの感染拡大が長期化する中、中根氏が強く打ち出すのは、与党としての「政策実現力」だ。4人の子供の父親として「子育て世代の代表」の立場もアピールしている。

 対する大島氏は「『勝ちたい』とは意識しない。淡々とやるだけだ」と泰然自若の構えをみせる。

 余裕ともとれる言葉は、手を抜かずに選挙区を歩いてきたという自負心の裏返しだ。インターネットを介した新型コロナウイルス関連の情報が届きにくい高齢者らに助成制度について直接伝えるなど「相談業務を徹底的に行った議員の一人だろう」と振り返る。

 自民党1強と呼ばれる状況の中、野党ながら「どぶ板」で勝利をつかみ続けてきた大島氏と、剣が峰に立たされて挑む中根氏-。6度目となる因縁の対決を制すのはどちらか。(中村智隆)

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