岸田首相記者会見詳報(5)

金融所得課税の見直し「1億円の壁ということを念頭に考えていく必要ある」

=(4)から続く --「新しい資本主義実現会議」のイメージは。有限の期間中に最終報告を出すのか、それとも岸田内閣が続く限り常設するイメージなのか。どういう提言を想定しているか。衆院選で勝った場合、新しい資本主義を実現するため、年末の予算や税制改正に何を盛り込む考えか

 「はい、ありがとうございます。まず新しい資本主義実現会議ということですが、まずこの今は、コロナとの闘いの真っただ中にあると思います。そして国民の皆さんの協力を得るために、しっかりとした経済対策が求められると思います。

 そしてその先に、コロナとの共存、できるだけ通常に近い社会経済生活を取り戻すことができた上で、その先に経済の再生を考えなければいけない。そこで、新しい資本主義をしっかり回していくという、この順番であると認識をしています。

 そして新しい資本主義の実現会議でありますが、先ほど申し上げたように、成長と分配の好循環を作っていく。成長が重要であるということ、これもちろん、言うまでもないわけですが、その成長の果実をどう分配していくのか。

 こういった点について、民間においても、それぞれの民間企業であったり、サプライチェーンにおいてもさまざまな努力が求められる。そしてそれを補うために、公的な政策ですとか、それから先ほど申し上げました、公的価格の見直しですとか、こういった取り組みを進めていかなければいけません。

 こうした具体的な課題について、ぜひこの関係者、有識者にも、しっかりと意見を聞かせていただき、国民の皆さんのさまざまな知恵をいただきながら、成長と分配を実現していく。こういった取り組みをリードしていただく会議を設けさせていただければと思っているところです。

 そして、この日本が…実現会議…えっと、すいません、ちょっと申し訳ない、2問目、ちょっと、ちょっともう1回お願いします」

 --常設の機関としてずっとあるものなのか

 「ごめんなさい、これはですね、資本主義、新しい資本主義を実現する、これは一朝一夕に実現できるものではありません。ぜひこうした成長と分配の好循環、これを続けていくためにも、こういったさまざまな努力は続けていかなければなりませんので、短期間で終わるものではないと思います。

 内閣を挙げて取り組まなければいけない課題ですので、中長期的にこうした会議を活用していくことを考えていきたいと私は思っています」

 --新しい資本主義の関係だが、自民党総裁選を通じて金融所得課税の見直しを訴えていた。「1億円の壁」という話もあるが、このあたりの政策をどう考えるか

 「はい。新しい資本主義を議論する際に、こうした成長と分配の好循環を実現する、分配を具体的に行う際には、さまざまな政策が求められます。その一つとしていわゆる1億円の壁ということを念頭に、金融所得課税についても考えていく必要があるのではないか。さまざまな選択肢の一つとして挙げさせていただきました。

 当然それだけではなくして、例えば民間企業において、株主配当だけではなくして、従業員に対する給与を引き上げた場合に優遇税制を行うとか、さまざまな政策、さらにはサプライチェーンにおける大企業と中小企業の成長の果実の分配、適切に行われているのか。下請けいじめというような状況があってはならない。こういったことについてもしっかり目を光らしていくなど、さまざま政策が求められると考えています。ご指摘の点も一つの、この政策であると思っています」=(6)に続く

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