産経・FNN合同世論調査

自民支持率上昇も、比例投票は「自民離れ」の兆候

 産経新聞社とFNN(フジニュースネットワーク)が9、10両日に実施した合同世論調査で、自民党の支持率は45・3%となり、2位の立憲民主党(6・4%)などに大差をつけた。新政権発足直後の「ご祝儀相場」で支持率が上昇したとみられる。ただ、次期衆院選の比例投票先に関しては自民支持層の「自民離れ」の兆候も見られ、党関係者は警戒を強めている。

 「岸田文雄首相に引っ張られて、少しずつ自民党の支持率も上がってきた」。自民の甘利明幹事長は11日、首相の政治姿勢や人柄などが評価され、支持率が上昇したとの見方を記者団に示した。

 岸田内閣と自民の支持率は「ご祝儀相場」の影響もあり、菅義偉(すが・よしひで)内閣の最後となった前回調査(9月18、19両日)に比べて上昇。ただ同時に、迫る衆院選に向けては不安要素も浮き彫りになった。

 岸田内閣を「支持する」と回答した人のうち、次期衆院選の比例投票先に自民を選んだのは53・6%。前回調査では菅内閣を「支持する」と回答した人のうち、63・6%が自民に投じると答えており、10・0ポイント減少している。

 また、今回の調査で比例投票先を自民と答えたのは39・1%で前回の44・9%から後退。自民支持層に限ると前回の86・8%から79・2%に減少した。「支持政党はない」とするいわゆる無党派層も前回の15・3%から8・4%へとほぼ半減している。「自民が選挙で勝ちすぎると緊張感が無くなるので今回は野党に入れよう」と考える回答者が少なからずいるためだ。

 実際、今回の調査で「与党の議席が増えた方がいい」との回答は22・1%で、「野党の議席が増えた方がいい」の35・9%を下回った。自民支持層でも「与党の議席が増えた方がいい」としたのは35・0%で、20・0%が「野党の議席が増えた方がいい」と回答。「今のままがいい」は40・9%だった。

 ある現職閣僚は内閣支持率が上がったことを歓迎する一方、「地元を回っていても自民を見る厳しい目に変わりはない。そんなに甘くはない」と警戒感をにじませた。(内藤慎二、田村龍彦)

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