大阪府や東京都が飲食店に対する営業時間の短縮要請を25日、解除した。ただ、客足の動向の見通しが立ちにくく、解除初日には通常営業に戻さない、慎重な対応のホテルや外食チェーンも多く見られた。また、これから迎える、忘新年会などの宴会需要にも諦めムードが漂った。
ホテルニューオータニ大阪(大阪市中央区)はバーの閉店時間を25日から1時間延ばして午後10時とした。約11カ月ぶりの制限解除にも、木村雅紀・料飲部長は「もう少し客足の戻りを見極める時間が必要」と厳しい表情を浮かべた。宿泊や宴会などのホテル利用者自体が激減しており、午後11時までの通常営業に戻すのは12月を見込む。
リーガロイヤルホテル(同市北区)も28日、メインバーの営業を約11カ月ぶりに再開する。長年通い詰める常連客も多いが「当面は時短とし、木曜から土曜日までの限定的な営業にとどめる」(広報担当者)とした。
チェーン店でも同様の傾向が見られた。鳥貴族ホールディングスは25日時点で大阪府や東京都の店舗で時短や休業を続けたままだ。担当者は「従業員のシフトを調整しており、客足も見定めたい」と説明する。
忘新年会シーズンへの期待も薄い。東京商工リサーチが企業に行った忘新年会の開催意向を聞く調査(有効回答8174社)によると、約7割が今年の年末年始は「開催しない」と回答した。同社情報本部の後藤賢治課長は「テレワークが続く中で忘新年会のためだけに社員を集めづらい」と分析する。
沖縄県の2店舗を除く全国のほぼ全店舗を25日から一斉に通常営業に戻したグルメ杵屋も、忘新年会については「周りの目を気にする人が多く、企業や団体の宴会はまだ難しいのでは」という見方を示した。
飲食店向け予約管理システムを提供するトレタ(東京都品川区)は「職場での飲み会を嫌う人はかなり以前から増えていた」として、コロナ禍が忘新年会のとりやめに拍車をかけたと指摘。「今年は少人数での会にシフトするのでは」とみている。