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世襲新人に選挙の洗礼 与野党問わず接戦

 投開票が31日に迫る衆院選で、世襲の新人候補が苦戦している。先代の政治的遺産を引き継ぐため他候補よりも有利とみられてきたが、産経新聞社とFNN(フジニュースネットワーク)による終盤情勢調査では与野党を問わず接戦となっているケースが目立つ。かねて世襲批判は少なくなかっただけに、戦績によっては政党による候補者の選定手法にも影響を及ぼす可能性がある。

 「大変厳しい1対1の戦いをしている。何としても議席を守り、新しい日本を創造していくために挑戦する」。埼玉10区から出馬した自民新人の山口晋氏は27日、埼玉県東松山市内での街頭演説で聴衆にこう訴えた。

 同区は山口氏と立憲民主党元職の坂本祐之輔氏との一騎打ちの構図で、山口氏は党選対委員長などを歴任した父、泰明氏から地盤を引き継いだ。三つどもえの争いとなった平成29年の前回衆院選は、泰明氏が坂本氏に約2万票差で勝利したが、野党共闘が成立した今回は坂本氏が一歩リードしている。

 三重2区からは自民新人の川崎秀人氏が、運輸相や厚生労働相などを歴任した父、二郎氏の後継として出馬した。文部科学相などを歴任した立民前職の中川正春氏との一騎打ちとなっており、両者一歩も譲らない情勢となっている。

 愛媛1区から出馬した自民新人の塩崎彰久氏は、第1次安倍晋三政権で官房長官、第2次安倍政権で厚労相を務めた恭久氏の長男だ。立民新人の友近聡朗氏との一騎打ちだが、これまでのところ塩崎氏が選挙戦を優位に進めている。

 一方、北海道3区から出馬した立民新人の荒井優氏は、国家戦略担当相などを務めた父、聡氏の跡を継いだ。自民元職の高木宏寿氏と日本維新の会新人の小和田康文氏との3人での争いとなり、荒井氏と高木氏が接戦を繰り広げている。

 世襲候補は先代から後援会組織などの「地盤」、知名度に当たる「看板」、カネを指す「かばん」の「3バン」を受け継ぐため、非世襲候補に比べ選挙に有利と目されてきた。小泉純一郎元首相から引き継いだ進次郎前環境相らが該当するが、「不公平だ」と冷たい視線を浴びる該当者も少なからず存在する。

 非世襲の閣僚経験者は「今の時代、国会議員も専門性を持っていないと通用しない。強みがなければ『なぜ国会議員になるのか』と思われてしまう。『親が引退するから次は子供で』というほど甘くはない」と語った。(今仲信博)

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