国内

岸田が安倍が枝野が…「野党共闘」で激戦の茨城6区に大物相次ぐ

 自民党と立憲民主党の公認候補の一騎打ちとなった茨城6区(土浦、石岡、つくば、かすみがうら、つくばみらい5市、小美玉市の一部)。激戦区のてこ入れを図ろうと、26、27両日、両党の党首が相次ぎ大票田のつくば市を訪れるなどヒートアップの度合いを強めている。「野党共闘」という今回の衆院選を象徴する選挙区。共産党との「共闘」の行方も注目される。

 「国政でも地元でも大きな役割を果たした。茨城や日本の未来を担う人材でもあり、しっかり育ててほしい」

 26日、つくば市を訪れた岸田文雄首相(自民総裁)は、自民前職の国光文乃氏(42)の応援演説に立ち、こう呼びかけた。

 傍らの国光氏は、岸田氏から「医師で感染症の専門家」と紹介され、「政治は遠い存在ではない。みんなの悩みや不安を解決するため、声を聞かせてください」と訴えた。

 自民は27日にも、安倍晋三元首相が石岡市にやって来るなど、大物を相次いで6区に投入している。

 一方の立民は27日、枝野幸男代表が同じつくば市に駆けつけ、立民前職の青山大人氏(42)を横目に「新聞によって選挙の情勢分析が異なる」と強調。「茨城6区もこれからが勝負だ。あなたの力が日本の未来を、地域の未来を切り開く。茨城6区から日本を変えよう」と声を張り上げた。

 青山氏は「与野党がもっと拮抗(きっこう)して緊張感ある政治、まっとうな政治をしないと、この先、日本はどうなるのか」と語気を強めた。

■どうなる野党共闘

 6区は野党共闘により共産が独自候補擁立を取り下げたことで、一騎打ちの構図に。三つどもえだった4年前の衆院選では、国光氏が10万2820票を得て初当選を果たした。

 だが、青山氏も9万6987票を獲得し比例代表で復活当選。青山氏と共産候補の得票を合算すると、12万1214票で国光氏を上回り、野党側は今回、勝機は十分にあるとみている。

 ただ、共産支持者の男性(65)は「共産と立憲では、日米安保も自衛隊も皇室制度も含めて、目指すものが違いすぎる。党が『立憲に入れろ』と言っても納得できない」と話す。

 青山氏支持という40代の男性も「党でなく人柄で投票してきた。選挙で票を取りたいから共産と組むといっても、釈然としない」と本音を吐露した。

 青山氏を支持する連合傘下の“共産党アレルギー”も根強く、野党共闘効果が出せるかどうかは見通せない状況だ。(篠崎理)

Recommend

Ranking

アクセスランキング

Biz Plus