新型コロナウイルス禍で初めて行われる衆院選は、31日の投開票日をめぐり、開票終了に遅れが生じる懸念が出ている。感染防止対策で「密」を避けるために担当者数を削減したり、複数の地方選の投開票日と合わせたりと、開票作業に手間がかかる可能性があるためだ。各地の選挙管理委員会は準備に追われている。
「開票の正確性や速報性とコロナ対策のギリギリの状況の中で削減を決めた」。今回、開票作業に当たる職員を約2100人だった前回(平成29年)の2割減にして臨む京都市選管の担当者は説明する。特に職員が密集する開票台の人数を減らすため、中間速報や終了時間が前回より約1時間ずれ込み、市内全域の終了は11月1日午前0時~1時半ごろになる見込みだ。
ただ、人口が多い京都市は京都府内の大票田。府選管は「京都だけで完結する話ではなく、職員を削減して開票が遅れることは望ましくない。可能な限り早くやるべきだ」と注文を付けた。
コロナ対策に加えて、首長や議員との同日選が開票遅れの要因となりうる自治体も。兵庫県内では、衆院選と同じ10月31日に自治体の首長と議員の計10選挙が投開票される予定だったが、無投票となった選挙もあり、最終的には7選挙と重複する。
現職と新人の計5人が争う神戸市長選。岸田文雄首相が衆院選の日程を表明したことを受け17日告示、31日投開票に変更した。
すでに準備済みだった75万枚の投票案内はがきは廃棄し、告知ポスターやチラシ計11万5千枚も作り直したが、人件費などで最終的に1億円以上の経費削減となる見通しで、さらに「投票率アップも期待できる」と市選管の担当者。ただ、作業量の増大で、各区の開票終了見込みは単独実施よりも「ずれ込みが予想される」(担当者)という。
県内ではほかに2市町の首長選挙、4市町の議員選挙が31日に投開票される。とりわけ、新温泉町では首長と議員の両選挙があり、衆院の選挙区・比例代表、最高裁裁判官の国民審査も加えると5つの開票作業を行うため、開票終了時刻がずれ込む可能性があるという。
一方、奈良県天理市では17日に市長選と市議補選が告示され、市長選は無投票で現職の3選が決まったものの、市議補選は24日に投開票された。市長の任期満了日が10月27日だったため、衆院選との同日選は不可能だった。市選管の担当者は「近接した時期に投票所や開票所を2回運営することになり、まとめられればよかったが…」としつつ、「衆院選のみになったことで開票作業の時間はこれまでと変わらない見通しだ」と話した。
総務省は「自治体から開票作業に遅れが生じるとの報告は入っていない。感染リスクが高まらないよう無理のない態勢を組むことは重要だが、作業が遅れることは避けたい。読み取り機器の導入や効率的な人員配置をお願いしたい」としている。