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立共共闘で惨敗、枝野氏に責任論浮上 連合は不快感

 立憲民主党は衆院選で、共産党などと野党共闘を進めたが、結果は公示前勢力を下回る惨敗を喫し、枝野幸男代表ら党執行部の責任論が浮上した。立民の最大の支持母体である連合は、立共が実質的に一体となって選挙戦に臨んだことを問題視しており、立民は共闘路線の再検討を迫られそうだ。共産は対照的に共闘の意義を強調し、今後も同じ枠組みでの連携を続けようとしている。

 「私も議席が減るとはほとんど考えていなかったので、非常に残念に思う」

 立民の福山哲郎幹事長は投開票から一夜明けた1日午前、記者団にこう吐露し、選挙結果について「執行部としては責任がある」と述べた。自身の進退に関しては「もう腹は決めている」と語り、幹事長を辞職する意向を示唆した。

 ただ、選挙区で共産を含めて野党候補の一本化を進めたことは、「1万票以内の僅差で負けた選挙区が31もある」と強気の評価を崩さなかった。

 こうした姿勢とは裏腹に、共産との共闘路線は大きな岐路に立たされたといえる。歴史的に共産と対立関係にある連合が、選挙結果も踏まえこれまで以上に不快感を示したからだ。

 「連合組合員の票が行き場を失ってしまった」

 連合の芳野友子会長は1日の記者会見で、今回の共闘により、連合が選挙戦に力を入れづらくなったと指摘。共闘そのものの評価も「(立共とも議席を)減らし、有権者に受け入れられなかったのだろう」ときっぱりと語ってみせた。

 選挙期間中、多くの選挙区で行われた立共の相互支援に関しては、「連合としては認められない」と言及。来夏の参院選で立民を支援する前提となる政策協定を結べるかどうかも「今後の動向を見ながらという判断になる」と述べ、無条件では締結しない意向をにじませた。

 一方、共闘をめぐる共産の評価は対照的だ。衆院選では共産が公示前から2減らす10議席と退潮したが、志位和夫委員長は1日の記者会見で、「共通政策、政権協力の合意という大義を掲げて戦い、一定の効果を上げたことは間違いない」と成果を強調してみせた。

 「共闘の魅力をさまざまな攻撃を打ち破って国民に伝えきる点で、十分とはいえなかった」とも語ったが、「教訓を引き出し、市民と野党の共闘を発展させるために全力を挙げる」と表明し、路線の深化を目指す方針を示した。(原川貴郎)

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