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「中国に毅然として主張」 林外相“3つの覚悟”掲げる

 林芳正外相は11日、就任後初の記者会見で、中国との関係について「主張すべきは毅然(きぜん)として主張し、責任ある行動を求める。それをやりながら対話を続け、共通の諸課題にしっかり協力していく」と述べた。就任にあわせて超党派の日中友好議員連盟の会長を辞職したことも明らかにし、「職務遂行にあたって無用の誤解を避けるため」と説明した。

 林氏は会見冒頭で「普遍的価値を守り抜く覚悟、日本の平和と安定を守り抜く覚悟、人類に貢献し国際社会を主導する覚悟、この3つの覚悟を持って外交を展開していきたい」との方針を示した。

 日米同盟の強化に努める考えを強調し「北朝鮮による核・ミサイル開発や中国の一方的な現状変更の試みをはじめ、地域の安全保障環境が厳しさを増す中で、日米同盟の重要性がよりいっそう高まっている」と指摘。「自由で開かれたインド太平洋」の実現や「法の支配」など基本的価値に基づく秩序構築に向け、米国や豪州、インド、東南アジア諸国連合(ASEAN)などとの連携を強化する考えを示した。

 中国や韓国を念頭に「近隣諸国との関係は、難しい問題に正面から厳然と対応しつつ、安定的な関係を築くべく取り組みたい」とも言及。中国の習近平国家主席の来日については、新型コロナウイルスの影響などを挙げて「今は具体的な日程調整をする段階にない」とした。

 韓国については、いわゆる徴用工判決や慰安婦に関する合意違反を念頭に「国と国の約束を守ることは国家間の関係の基本だ。韓国側には適切な対応を取ってもらう必要がある」と表明。そのうえで「日韓関係を健全な関係に戻し、そのうえで幅広い分野で協力すべく、外交当局間の協議や意思疎通を加速していきたい」と語った。北朝鮮による日本人拉致問題の解決に取り組む考えも示した。

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