大阪府は15日、新型コロナウイルス患者を受け入れている府内の病院が同日から新たに宿泊療養施設を開設し、軽症患者の治療にあたると発表した。感染「第6波」に備えた対策の一環で、症状悪化の際は速やかに病院に搬送するなど早期治療を強化する狙い。病院が直接運営する宿泊療養施設は府内で初めて。
府によると、医療法人成和会が運営する「北大阪ほうせんか病院」(同府茨木市)が、大阪市東淀川区のホテル(106室)をコロナ患者用に確保した。入所患者は症状に応じて保健所が判断する。
ホテルには、同病院のコロナ病棟に勤務する看護師約60人のうち、3人が交代で常時配置される。特に観察が必要な患者は毎日部屋を訪れ、対面で健康状態を確認する。
病院内にいるコロナ担当の医師が24時間オンライン診療に応じる。ホテルに救急車3台を配備し、重症化を防ぐ抗体カクテル療法を投与する際は病院に搬送。入院の必要があれば病院で治療を継続し、不要ならホテルに送る。
吉村洋文知事は記者団に「病院が直接運営し、病院機能が最も強化されたホテルになるので、(重症化)リスクが高い人が入ることになると思う。早期治療を目指したい」と述べた。