国内

「スピード感ある党改革示す」自民・茂木氏インタビュー

 自民党の茂木敏充幹事長が産経新聞の単独インタビューに応じ、党改革や憲法改正議論の在り方などを語った。

 --岸田文雄首相(党総裁)から幹事長就任を打診された際の指示は

 「衆院選の翌日(1日)、『新型コロナウイルス禍からの回復のための経済対策を早急に取りまとめてほしい。党改革は具体的にスピード感を持ってやってほしい。選対委員長と連携して来年の参院選もお願いする』という話があった」

 --今の自民党が抱える課題は

 「国民との距離感を縮めていくことが重要だ。国民にどう見えていて、どう見てもらえるか。そのために党改革をしっかりと進めていく。首相も総裁選で党役員の任期制限を約束されており、こうした人事のあり方や政党ガバナンス(統治)など近代政党としてのルール作りを検討する」

 「党改革実行本部は私が本部長を務める。早急に改革の方向性を打ち出す。来週にも第1回会合を開きたい。座長に上川陽子幹事長代理、事務局長に山下貴司元法相に就いてもらった。具体的な議論を進めたい」

 「例えば、憲法、安全保障、経済、社会保障など、わが党にはさまざまな分野の専門家がおり、党員や国民とインターネットでの対話集会を開催し、その成果を政策に反映させていく。スピード感を持って、順次改革を実行に移すことで自民党は変わっているという姿を国民に示したい」

 --憲法改正議論の進め方は

 「党としての考えはまとまっている。今後、議論の主戦場は国会の場に移る。国民は憲法改正について一度も自ら判断した経験がなく、その機会(国民投票)を待っているのではないか。例えば、緊急事態はこれまで自然災害を想定していたと思うが、コロナ禍を経験してパンデミックも含めた緊急事態に対する切迫感が高まっている」

 --先の衆院選で改憲に前向きな日本維新の会と国民民主党の勢力が伸びた

 「政策全般について前向きな政党には協力を求めるが、自民党と公明党の連携は憲法の問題についてもしっかり取る。議論しようという議員が増えたのは望ましいことだ」

 --来夏の参院選に向けた課題と戦略は

 「衆院選では接戦区が非常に多かった。参院選に向けて、競り勝った地域での勢いを維持しながら、大阪など厳しい結果となった地域の立て直しを急ぎたい。地方組織の強化が求められる地域もある。フレッシュな新人や女性候補などアピール力のある候補者の選定を急ぎたい」

 --敵基地攻撃能力の保有について公明党は慎重だ

 「私も外相を経験し、わが国を取り巻く安全保障環境が一段と厳しくなっていると強く実感している。日米同盟の抑止力と対処力を高めていく中で、ミサイル防衛について、正確な言葉でいうと敵基地『反撃』能力は重要な選択肢だ。検討を進めたい。国民の理解、連立を組む公明党の理解を深めることも同時に行う」

 --旧竹下派(平成研究会)の会長に内定し、近く茂木派に移行する

 「先週の総会で仲間から会長に推挙していただき、重い責任を感じている。役員を拡充したい。派閥の新体制をできるだけ早くスタートしたい」

 --「ポスト岸田」への思いは

 「幹事長として岸田政権を全力で支える。これに尽きるが、その上でグループ(派閥)の仲間や支援者の期待にいつか応えなければならない、という自覚はしっかり持っている」

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