国内

補正予算、関西経済への影響は限定的か 

 26日に閣議決定された令和3年度補正予算案の関西経済に対する影響は限定的になりそうだ。18歳以下を対象にした10万円相当の給付などがどこまで個人消費を押し上げるか不透明で、長期的な経済成長につながる施策も乏しいという指摘がある。一方、観光支援事業「Go To トラベル」再開の費用か盛り込まれたことに、国内客需要掘り起こしへの期待も出ている。

 補正予算案には生活が苦しい住民税非課税世帯を対象とした1世帯当たり10万円の給付や、売り上げが急減した中小事業者への最大250万円の給付などが盛り込まれた。

 りそな総合研究所の荒木秀之主席研究員は「セーフティーネット整備が中心で、感染症収束が見える中で中長期に経済を押し上げる施策が見当たらない」と指摘する。

 また、関西企業が強みを持つ水素エネルギーなど脱炭素に向けた研究開発、設備投資への補助制度を設ければ、「長期的な成長だけでなく、民間の投資を促す形で短期的な経済成長も期待できた」とも話す。

 一方、日本総合研究所の若林厚仁・関西経済研究センター長は18歳以下への10万円相当の給付などが「一定程度が貯蓄され、個人消費の押し上げにつながる分は少ないだろう」と述べる。ただ、GoTo再開に予算が付いたため、「インバウンド(訪日外国人客)よりも消費額(の総額)が多い国内旅行者の増加につながる」と期待する。

 若林氏によると、コロナ前の令和元年で飲食、宿泊などの関西の旅行関連消費は4・5兆円で、このうち3・3兆円が国内客。GoToによってインバウンド消失で影響のあった京都市や大阪市など都市部への誘客促進になるとした。(岡本祐大)

Recommend

Ranking

アクセスランキング

Biz Plus