SankeiBiz for mobile

存在感薄いトヨタ、強豪ひしめく新興国 世界一奪還へ厳しい戦い

ニュースカテゴリ:企業の自動車

存在感薄いトヨタ、強豪ひしめく新興国 世界一奪還へ厳しい戦い

更新

決算発表するトヨタ自動車の豊田章男社長=9日午後、東京都文京区  トヨタ自動車が2013年3月期の連結業績見通しで、5年ぶりに営業利益1兆円に到達する見通しを掲げたことは、リーマン・ショックや、品質問題、東日本大震災という毎年続いた逆境から立ち直ったことを印象づけた。しかし、この間、世界一だった販売は4位に転落。市場構造も、新興国重視へと激変した。トヨタの世界一奪還の鍵は新興国攻略だが、円高というハンデを抱えながら、ライバル各社との競争は激しさを増す。

 「いいクルマをつくり、収益につなげ、再投資し、いいクルマを作る。3年の仕込みで、サイクルが回り始めた」

 9日、東京本社での決算発表会見で、豊田章男社長は、就任以来進めてきた体質改善の成果に胸を張った。

 今年から全面改良や新型車の投入が相次ぐ。もともと強い現場での原価低減力に加え、トップダウンによるデザイン改革や生産方式改革が、軌道にのろうとしている。豊田社長が「成長のプラットホーム」と表現するように、持続的な拡大路線への復帰に自信をみせる。

 しかし、トヨタが再び世界一に返り咲くためには、買い替え需要に依存する先進国ではなく、新規購入層が圧倒的な新興国市場での成長が欠かせない。

 「中国での年間販売100万台超のめど」(豊田社長)や、インドへの新興国戦略車投入など、布石は打てたが、ブラジル、ロシアなども含め、「ライバルのフォルクスワーゲンや現代自動車などの展開力には負け、急成長が見込まれる市場での存在感は薄い」(アナリスト)。

 「これまで7対3だった先進国と新興国の販売比率を5対5にもっていく」(豊田社長)には、「新興国にあった商品作りと展開のスピードアップが必要」(同)。だが、強力なライバルがひしめく新興国で、「トヨタは成功体験が少なすぎる」(別のアナリスト)。

 歴史的な円高が続く為替のリスクも残る。国内需要は、夏場にエコカー補助金が切れ、反動減が見込まれている。これを「下期は好調な米国市場向けの輸出でカバーする」(小沢哲副社長)考えだ。その結果、1ドルにつき1円の円高で、320億円としていた営業利益の目減りが330億~340億円程度に膨らむ見通しだ。欧州信用不安再燃の中、円高懸念は強まっており、トヨタのリスクとして強く意識される。

ランキング