“走るスマホ”で主導権を トヨタ、ホンダが顧客囲い込み
2012.5.15 05:00更新
自動車各社がスマートフォン(高機能携帯電話)との連携強化に乗り出している。「クルマとITの融合」を合い言葉に、将来的には「クルマそのものが情報端末の役割を果たす」(業界関係者)ことを目指す。
トヨタ自動車は今年1月から、発売したプラグインハイブリッド車(PHV)「プリウスPHV」向けにスマホ向け専用アプリ(応用ソフト)「イーコネクト」を配信している。電池残量確認や電気自動車(EV)として走行できる距離を表示するほか、スマホで冷房の起動を遠隔操作できる。
また、プリウスPHVの顧客同士用の交流サイト(SNS)を用意したり、メッセージが配信されたりと双方向のコミュニケーション機能も強化した。
ホンダの「インターナビ・リンクアプリ」は3月、震度5弱以上の地震情報や津波情報などを利用者に警告する「防災・減災情報」を追加したほか、二輪車向けにもスマホ連携サービスを拡充した。ルート近くの天気予報を確認できるなど、二輪車ならではのサービスを展開する。ホンダ車が対象で、いずれも無料でダウンロードできる。
スマホ連携強化の背景には、独自のアプリで付加価値を提供し、顧客を囲い込む狙いがある。新規ビジネス創出に詳しい野村総合研究所の高橋主(つかさ)上級コンサルタントは「各社とも今までにないカーライフ面での価値を見いださざるを得ないと試行錯誤している」と指摘する。
その一つの方向性が、通信モジュールを搭載する日産自動車のEV「リーフ」だ。電気を動力源とするため、「充電ステーションの場所を常に把握することが命綱」(業界関係者)だという現実的な側面もあるが、ネットワークをつなげることで、スマホやパソコン(PC)などから充電やエアコンの操作や燃費チェックが可能になった。
電機メーカーもスマホで目的地までのルートや関連情報を表示するサービスを始めているが、自動車各社も主導権を握ろうと懸命だ。(古川有希)