【クルマ人】打倒!セレナ 悔しさバネにステップワゴン逆襲
2012.4.29 07:00更新
ホンダの5ナンバーサイズのミニバン「ステップワゴン」と「ステップワゴン・スパーダ」が12日に発売された。ホンダはミニバンという新ジャンルを確立したパイオニアだが、最近は低燃費を売りにする日産自動車の「セレナ」に販売台数で後塵を拝しており、新モデルでは燃費性能を大幅に向上させた。本田技術研究所四輪R&Dセンターの堀川克己主任研究員に開発の狙いや販売戦略を聞いた。
「初代は1995年の発売だが、このときに『クリエイティブムーバー』のコンセプトが受け入れられ、ユーティリティーミニバンのジャンルを確立した。累計販売も120万台を達成した。今回は2009年に投入した4代目のビッグマイナーチェンジだ。低いフロアによる乗員スペースの最大化や3列目シートを床下に収納できるなどの使いやすさは変わっていない。その上で、初代からステップワゴンが持っている強みを進化させた」
「改良で特に重視したのが経済性だ。ここ数年、燃費性能が車選びの大きなポイントになっている。車体やエンジンは、ほぼ4代目のままだが、空気抵抗を小さくしたり、新型CVTやアイドリングストップ機能を採用したりすることで、(JC08モードでガソリン1リットル当たり)15キロまで伸ばした。燃費はクラスナンバー1だ」
「走りと燃費を高次元で両立させ、シフトレンジをワイドにする設定で燃費性能を上げている。搭載の第1弾が軽自動車『N BOX』で、ステップワゴンへの搭載は第2弾となる」」
「デザインが変わったことを買い替えたお客さまに感じていただけるよう、エクステリアを変更した。特にエスパーダは、より上質な存在感を感じてもらえるようにするため、メッキの使い方やフロントとリアのヘッドライトを作り替えて“鋭い眼光”にした。色のバリエーションは、家族車なのでビビッドというよりは落ち着いた色合いにした」
「少し悔しい思いをしているが、ステップワゴンは後発のセレナやヴォクシーと比較して燃費の面で不利な立場にあり、燃費を改良するのが一番の課題だった。5ナンバーのミニバンはほぼ完成形になったといえるが、視界や取り回し、歩き回れる室内空間など『毎日子育てをしている家族のための改良』をやり尽くした」
「営業的観点とハードウェアの差だと考えている。例えばセレナの営業は、シートアレンジなど細かい仕様の差をしっかりアピールしている。ホンダも3列目シートの床下収納など他社にない機能があるが訴求が不十分だった。ホンダの車の作り方、考え方を積極的に訴求していく」
「約3年前、このモデルの一部改良が決まったときに担当になった。その前は10年以上アコードを担当した」
「どの市場でも、お客さまが何を求めているか、というところから入るので、開発そのものに違いはない。現地の嗜好を車づくりに反映させることが重要だ」
「選択肢のひとつとは考えているが、次のモデルの開発は担当しないため答えられない」