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キヤノン参戦!ミラーレス一眼の勢力図激変か 価格下落も加速

2012.7.24 05:00更新

 キヤノンは23日、同社初のミラーレス一眼カメラ「EOS M(イオス エム)」を9月中旬に発売すると発表した。ミラーレス一眼は小型軽量ながらレンズ交換が可能で、本格撮影を楽しめることから、販売台数で国内のレンズ交換式カメラの4割を占めるまでに成長。デジタルカメラ最大手のキヤノンの参入で、市場シェアの地図は一気に塗り替わりそうだ。

 「EOS M」は有効画素数が約1800万画素の撮像素子を採用。本体重量は262グラムで、液晶画面上の被写体に触れるだけで焦点が合う機能も搭載した。専用交換レンズだけでなく、別売りのアダプターを使うことで60種類以上の一眼レフ用の交換レンズも取り付けられる。

 この日の発表会で、真栄田雅也常務は「高画質と小型軽量は相反するものだが、両方を達成できた」と述べ、大型の画像センサーを採用した「EOS M」の機能の高さを強調した。

 市場想定価格は、本体が6万9800円、レンズ2本と外付けフラッシュなどが付いたダブルレンズキットは10万9800円。月産10万台を計画する。

 ミラーレス一眼は、一眼レフから光学部品の一部を取り除いた構造を持つ。2008年8月にパナソニックとオリンパスが打ち出した共同規格をきっかけに生まれた「日本発のカメラ」。コンパクトカメラからの乗り換え層や、一眼レフ所有者のサブ機として受け入れられてきた。

 ただ「一眼レフ2強」のニコンとキヤノンは当初、一眼レフカメラへの影響も考慮してミラーレスには距離を置く。「このままでは一部で盛り上がっているに過ぎない」(競合メーカー幹部)と両社の参入を望む声も出る中、11年10月にニコンが、12年2月には富士フイルムが発売。主要メーカーではキヤノンだけが取り残され、「参入は秒読み」(大手メーカー幹部)とみられていた。

 最後発のキヤノンはターゲット層を20~30代の初心者に置き、サブ機としても売り込む。国内の月別シェア(販売台数)で15%以上を狙い、12年下期は11%のシェア獲得を目指す。

 調査会社BCNによると、国内のレンズ交換式カメラの販売台数のうちミラーレス一眼は昨年7月以降、4割超を維持している。一方で、コンパクトカメラ同様に競争激化で価格下落が加速しつつある。

 BCNのアナリスト、道越一郎氏は「ミラーレス一眼は光学部品が少ない分だけ参入障壁が低く、キヤノンの参入で存在意義が高まれば海外メーカーの参入も相次ぐ可能性がある」と話す。既に韓国のサムスン電子が日本以外で投入し、東アジアなどでは浸透しつつあるが、欧米での認知度は低い。キヤノンは「状況を見ながら判断する」(真栄田常務)として、海外でも順次展開する計画だ。(日野稚子)

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