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「節電行動」促す家庭向け制御技術 パナソニックと東芝に注目

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「節電行動」促す家庭向け制御技術 パナソニックと東芝に注目

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家電のエネルギーを制御するパナソニックの「AiSEG(アイセグ)」  パナソニックと東芝が、情報技術(IT)を駆使して家庭の消費電力を管理し節電につなげる「ホームエネルギーマネジメントシステム」(HEMS)の中核制御装置を相次ぎ開発、発売している。家庭の消費電力が増えると自動でエアコンの温度を調整したり、IHクッキングヒーターの火力を弱めたりして節電できるのが特徴。消費電力をモニター上で表示し、節電行動も促す。中核装置を握ることで、最も相性の良い自社ブランド製品を家電の新規購入時や買い替え時に選択してもらう狙いがあり、テレビを中心に国内販売が低迷するなか、参入加速は必至の情勢だ。

 「快適な生活をしながら、節電もできる」

 パナソニックが今月21日に発売するHEMSの中核機器「アイセグ」。同社が9月11日に都内で開いた発表会で、長栄周作副社長は装置を導入するメリットをこう強調した。

 アイセグは、いわば家庭内の家電製品の司令塔的存在だ。たとえば猛暑時に、家庭内の消費電力が急増すると、エアコンの温度調整を行ったり、洗濯機の回転速度を緩めたりと節電を自動で考えて実行する仕組み。

 アイセグは電力の使用状況に加えて、ガスや水道などの使用量状況も薄型テレビやスマートフォン(高機能携帯電話)などでリアルタイムで確認できるのも特徴。パナソニックは07年以降、太陽光発電に対応し、稼働状況や家庭全体の電力消費などを見える化し、家全体のエネルギー消費を抑えるシステムを売り込んできたが、アイセグでは個々の家電を制御する機能に発展させた。

 アイセグとの通信機能を持った同社製品は、10月段階では高効率給湯器「エコキュート」やエアコン、IHクッキングヒーターだが、今後は洗濯機や冷蔵庫などに対応を広げる。さらに次世代電力計「スマートメーター」、電気自動車(EV)との連携も強化するという。希望小売価格は通常システムで11万2350円(工事費を含まない)。パナソニックは、関連製品で2013年度に200億円、15年度に2000億円の売り上げを目指す。

 HEMSの制御装置を国内電機業界で初めて売り出したのが東芝。同社が6月から発売した「フェミニティ」だ。同社の制御装置の最大の特徴は「今後、数年の間に市場に出る家電にぴったり合う」(佐々木則夫社長)ということだ。

 実際、東芝のフェミニティは、パナソニックのアイセグとは異なり、11年7月に、HEMSの通信規格として家電業界で定められた「エコーネット ライト」に初めて対応させている。同通信規格に対応していれば、どのメーカーの家電やスマートメーター、太陽光発電などでも制御可能。価格は14万1800円。東芝は、HEMS対応家電の販売強化で、家庭向けソリューション事業で15年度に2500億円の売り上げを目指している。

 調査会社の富士経済によれば、HEMSなどスマートハウスの国内市場は、20年度には11年度比約3倍の3兆4755億円に拡大する。昨年3月の東日本大震災以降の節電意識の高まりを背景に、住宅メーカーも新規供給物件にスマートハウス対応を増やしている。家庭向けで電力を制御する商品はほとんど流通しておらず、節電商材の先駆けとしてパナソニックと東芝の制御装置は注目を集めている。「エネルギーを最適制御しながら快適さも両立するこうしたシステムの市場拡大は確実」(大手電機幹部)で、追随の動きが広がり、市場も急速に拡大しそうだ。(今井裕治)

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