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ウィンドウズ8で再び革命なるか パソコン生き残りの“最終兵器”

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ウィンドウズ8で再び革命なるか パソコン生き残りの“最終兵器”

更新

 米マイクロソフト(MS)がパソコンにもタブレット端末にも対応した次期基本ソフト(OS)「ウィンドウズ8」を26日に発売する。

 パソコンのOSとして圧倒的なシェアを誇るウィンドウズシリーズの最新作が、タブレットで先行する米アップルの牙城にどれだけ食い込めるかが焦点だ。

 しかし、パソコンとタブレットの垣根を越えた競争の幕開けで、端末、OS双方の勢力関係が劇的に変わる可能性もはらむ。ITの黎明(れいめい)期からこれまで、革命を先導してきたウィンドウズとパソコンの反撃の勢いが、試されている。

 「タブレットと融合」

 「革新的なデザインなど、さまざまな面で新基準となる」

 23日、米ニューヨークで開いたウィンドウズ8搭載パソコンの新製品発表会で、パソコンのシェアで世界5位を誇る台湾エイスースのジョニー・シー会長は、こう強調した。

 新製品の最高級ラインは、超軽量ノートパソコン「ASUS TAICHI(エイスース タイチ)」(1299~1599ドル)。天板の外側にもパネルがあるのが最大の特徴で、天板を開けばノートとして、閉じればタブレット端末のように使える。両画面を同時に使うこともできるという。

 シー会長は発表会で、「タイチはあなたにとって実に完璧な仲間となる」と強調した。日本では11月中、12万~13万円程度で発売する見通しだ。

 中国のレノボや米ヒューレット・パッカード、デルなど世界の大手パソコンメーカーは、台湾などの受託製造会社(EMS)に生産を委託することなどでコストの引き下げに成功し、競争力を高める。エイスースの新商品の発表は、「ノートとタブレットの融合」という戦略の方向性を示した形だ。

 勢力図どう変わる

 ノート型パソコンを生み出した日本勢も負けてはいない。パソコンで国内首位のNECパーソナルコンピュータの高塚栄社長は「社会現象となったマイクロソフトのOS『ウィンドウズ95』以来、17年ぶりの大きな革命が起きる」と述べ、パソコンOSの“最終兵器”である「8」への期待を高ぶらせる。

 日本メーカー各社は「8」対応のタブレットに加え、画面に触れて操作する「タッチ機能」の強化といった特徴を生かし、タブレットの“顔”も持つパソコンを相次ぎ投入する。

 例えば富士通は画面をキーボードから取り外せる端末の発売を予定。NECとパナソニックは画面が360度回転できる端末を発売する。

 これに対し、米アップルは23日、小型の「iPad(アイパッド)」を発表した。アップルのティム・クック最高経営責任者(CEO)は「どのパソコンメーカーよりもアイパッドが一番売れた」とタブレットの将来性に胸を張る。

 9月には米グーグルが自社のOSを搭載したタブレット「ネクサス7」を2万円を切る価格で発売するなど、タブレットへの注目は高まる一方だ。

 調査会社のMM総研によると、2011年度のタブレットの国内出荷台数は278万台で、前年度から2.3倍に伸長した。16年度にはタブレットが11年度比2.9倍の798万台に膨らむ見通しだ。

 MM総研の中村成希アナリストは「『8』の発売は、パソコンとタブレットという市場の領域を超えた厳しい競争をもたらす」と指摘。「タブレットとの融合」を掲げるパソコン陣営の戦略が、勢力図をどう変化させるかが注目を集めている。(ニューヨーク 米沢文)

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