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需要開拓効果でKDDI有利? 「iPadミニ」でも国内2社激突
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米アップルは23日、タブレット端末の新製品「iPad(アイパッド)ミニ」を発表した。従来のアイパッドの小型版で、11月2日から日米など34カ国・地域で発売する。アップルは「メモ帳並みに軽いが正真正銘のアイパッド」(シラー上級副社長)とアピールするが、目新しさに乏しく価格競争力への不安も聞かれ、グーグルなどとの激化する競争へ不安も広がる。
「アイパッドはユーザーに愛され成功した。だが、まだ始まったばかりだ」。
発表会場でクック最高経営責任者(CEO)は、2週間前にアイパッドの世界販売が1億台を突破したことを明らかにし、「ミニ」でさらに攻勢をかけると意気込んだ。しかし、市場の反応は冷ややかだった。
アイパッド・ミニが発売されて間もなく、株式市場でアップル株は下落。23日終値は前日比3.3%安の613.39ドルで引けた。
アイパッド・ミニは、画面サイズが7.9インチで、現行機種(9.7インチ)より一回り小さい。厚さは2割減の7.2ミリ、重さは約半分の308ミリグラム。片手で苦にならない持ち運びのしやすさが特徴だ。
一方、日本国内では、アイパッド・ミニの登場が、スマートフォン(高機能携帯電話)「iPhone(アイフォーン)」をめぐるKDDIとソフトバンクモバイルの対立の構図を激化させそうだ。両社は24日、アイパッド・ミニと、9.7インチディスプレー搭載の新型「iPad」を近く国内販売すると発表した。
スマホをモデムとして利用できるテザリング機能がアイパッド・ミニの利用形態を広げる。新たに通信回線の契約をしなくても、公衆無線LAN「Wi-Fi(ワイファイ)」対応のアイパッドミニでスマホ経由の高速データ通信「LTE」を利用できるようになる。
業界関係者は「既存ユーザーの買い替えより、新たな需要開拓の効果が大きい」とし、初めてアイパッドを扱うKDDIがやや優位とみている。(ワシントン 柿内公輔、芳賀由明)