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シャープのV字回復、カギは新型液晶「IGZO」 大量発注に望み
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シャープ本社 シャープが平成25年3月期に計上する最終赤字が4500億円規模に膨らむ見通しになったことで、過去に稼いだ利益の蓄積額である利益剰余金がマイナスになる公算が大きい。
ただ、業績の下振れ要因は今期中に処理されることから、来期以降の経営基盤は固くなる。高精細で低消費電力の新型液晶「IGZO(イグゾー)」が軌道に乗れば、業績の大幅回復も見えてきそうだ。
利益剰余金は企業が自力で稼いだ利益から配当金などの社外流出分を差し引いた蓄積額を指し、狭義の内部留保とも呼ばれる。最終損益が黒字なら増え、赤字の場合や配当で減少する。
シャープの24年3月末時点の利益剰余金は2599億円。25年3月期の最終赤字が4500億円規模となれば、25年3月末時点の利益剰余金は2千億円規模のマイナスに落ち込む可能性が高い。
経営破綻前の日本航空や、パナソニックに買収される前の三洋電機がマイナスの利益剰余金を抱えていた。このため、資本増強も急務となりそうだが、24年4~9月期の売上高と営業損益はほぼ計画どおりだったもようだ。
今回の赤字幅拡大の原因となる在庫の評価損などは現金流出を伴っていないうえ、来期以降の経営基盤強化につながる。
業績回復のカギを握るのが、世界で初めて量産にこぎ着けたIGZO。消費電力が従来の5分の1~10分の1程度と小さいうえ、高精細なのが特長だ。パソコンの画面だけでなく、スマートフォン(高機能携帯電話)やタブレット端末の画面での大量の活用も見込まれている。
米パソコン大手メーカーと交渉していることも明らかになっており、液晶テレビの不振で急降下していた工場の稼働率の大幅な回復も不可能ではない。
欧州債務危機や中国、米国経済の先行きなど、不安材料もある。しかし、シャープは25年1~3月期から営業黒字に転換するとしており、デルなどとの交渉がまとまれば、業績の明るさが増しそうだ。