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“おしゃれ100均”各地に登場 話題のタイガーだけじゃありません
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ポップなドット柄の食器もみんな100円だ=神戸市東灘区(佐々木詩撮影) 「北欧の100均ショップ」として、今年7月に大阪市内に1号店がオープンしたデンマークの人気雑貨チェーン店「タイガー」。おしゃれな雑貨が低価格で購入できるとあり、品薄のためいったん店を閉める事態に見舞われるほどの人気を集めている。これを迎え撃つのが「なにわの100均」。実はこのところ、人気雑貨店のような、おしゃれな物品をそろえた店作りを進める新たな100円ショップが関西各地に登場しており、20~30代の女性を中心に支持されている。(佐々木詩)
今月23日、神戸市東灘区にオープンした「オンリーワン神戸甲南店」。大阪市天王寺区に本社を置く「株式会社オカノ」が展開する100円ショップの10号店だ。
白とグリーンを基調としたスタイリッシュな店内には、数千点に及ぶ100円アイテムが並んでいる。驚くのはその「おしゃれさ」。白で統一され、まるでヨーロッパの高級磁器のような雰囲気の食器に、ポップで元気なビタミンカラーの保存容器。
かと思えば、フラワープリントやギンガムチェックのポーチや、木馬の刺繍入りのタオルハンカチなど、こだわりの商品が並ぶ。安かろうの100円ショップというよりは、女子に人気の雑貨店の様相だ。白い平皿を購入した市内の女子大生(20)は「100円ショップはよく利用しますが、ここは100円とは思えないものもたくさんあって、見ているだけで楽しい」と笑顔で話した。
同社の岡野宏重社長(33)は「実は店内に置かれている商品は、他の100円ショップでも扱われているものばかりです」と打ち明ける。「ただ、商品を無造作に山積するのではなく、色味をそろえたり、什器(じゅうき)を使って陳列するなどして、見せ方にこだわっています」
同社は平成11年に1号店をオープン。そのとき、ファッション業界で働いていたスタッフの発案でディスプレーにこだわるようになり、“おしゃれ100均”路線を走るようになった。
ただ、おしゃれ路線に傾きすぎて、老眼鏡やドライバーなどのおなじみのものを置かない店作りは、若い女性には受け入れられたが、従来の100均を支持する中高年の消費者の反感を買ってしまった。
そこで、雑貨類を店頭に並べ、洗面器や雑巾など実用品を奥に陳列するなどの工夫を行い、店側が目指すスタイリッシュな店作りと消費者のニーズとのバランスを取っているという。
「おしゃれ」と「使える」が共存する店作り。岡野社長は「結局売れるのは実用品。でも、雑貨店の要素を取り入れることで、入ってみたい、と思ってもらえたり、『わあ、かわいい』と目で見る楽しみを感じてもらえるようにしたい」と意気込む。
安さをウリにするのではなく、ライフスタイルそのものを提案できる雑貨店を目指しているのが、「イルピアット」。約10年前、「オヤジの町」のイメージが強かった大阪・京橋が再開発され、おしゃれな店ができはじめたころに、京阪電車の高架下に1号店を構えた。今年6月には大阪府枚方市にも出店している。
白い壁に囲まれた店内には、ところどころ観葉植物が飾られ、棚や平台に整然と雑貨類が並ぶ。その商品も、わざと使い込んだような風合いのスツールに、チョコレート型のブラシやクッキー型のミラーなどスイーツをデザインした小物、ウェッジソールのサンダルなど、100均のイメージからはほど遠いようなものがずらり。キッチン小物や衣料品なども含め、常時1000~1500アイテムを店に並べる。
同店の広報担当者は「これまでの100均は、コンビニエンスストアに行くように、近くの店に必要なものを買いに行くところだった。私たちは、店を選んで遠くても買いに行きたいと思ってもらえる店作りをしたい」と話す。ターゲットは、20代後半から30代の既婚者だという。
北欧発か、なにわ発か。自分の用途や好みで“100均”を選ぶ時代がきているようだ。