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電機
デジタル家電“総崩れ”の様相 大手各社、テレビ販売計画を下方修正
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電機や精密機器メーカーなどが2013年3月期のデジタル家電の販売計画を相次いで下方修正している。
パナソニックと東芝が薄型テレビの販売見通しを従来予想から2割前後下方修正したほか、任天堂とソニーは携帯型ゲーム機の見込みを1割前後減らすなど、まさに“総崩れ”の様相を呈している。
国内需要の低迷に加えて、反日感情の高まりに伴う中国販売の縮小などを織り込んだためだ。「デジタル家電不況」を抜け出すためには、新たな市場を生む魅力的な新商品の開発が欠かせない。
パナソニックと東芝、ソニーの3社は12年9月中間決算に合わせて、薄型テレビの通期販売見通しをいずれも下方修正した。7月時点の予想に比べパナソニックは350万台、東芝は300万台引き下げた。
ソニーは期初に1750万台の販売を目指したが、8月に200万台減らし、今回さらに100万台下げた。
ソニーの加藤優・最高財務責任者は「収益を重視したため」と強調するが、「半年のうちに2度の下方修正は市場環境の認識の甘さを物語る」(アナリスト)との批判もある。
市場動向を読み違えた背景には、地上デジタル放送への移行に伴う特需の反動減で、国内市場が想定以上に冷え込んだことがある。各社は、国内市場を当初は半減程度と見込んでいたが、1~9月の国内薄型テレビ出荷は469万台強と、前年同期から7割強も縮小している。
販売縮小はテレビだけにとどまらない。米アップルや韓国サムスン電子が市場を席巻する携帯電話では、NECが通期の販売目標を70万台下方修正。競争激化で「海外の販売が不振に陥っている」(川島勇・最高財務責任者)ことが響く。
スマートフォン(高機能携帯電話)の急速な普及が、販売に影を落とすのがデジカメと携帯型ゲーム機。スマホをカメラやゲーム機代わりに使うユーザーが増えているためだ。
パナソニックは、デジカメの販売見通しを7月の予想に比べ300万台、富士フイルムは130万台下方修正。携帯型ゲーム機でも、任天堂が「ニンテンドー3DS」を当初の見通しに比べて100万台引き下げ、ソニーも「PSヴィータ」と「PSP」合計の販売台数見込みを200万台下方修正した。
薄型テレビを中心とするデジタル家電の総崩れの流れに歯止めをかけるには「常識を超えた顧客体験を呼ぶ商品やサービスを提供し、ヒットにつなげる」(平井一夫・ソニー社長)ことが欠かせない。
スマホやタブレットで世界トップの座を築いたアップルも、一時期、極度の販売不振に陥った経験がある。その時の経営危機を救ったのが、携帯型音楽プレーヤー「iPod(アイポッド)」など、革新的な商品を立て続けに世に送り出したことだった。
家電業界に詳しいアナリストは「ユーザーの生活を一変させる商品を打ち出し、世界的にヒットとなれば、復活のチャンスはある」(アナリスト)と“日の丸家電”にエールを送っている。
品目 メーカー名 従来予想 修正計画
ソニー 1550 1450(▲26.0)
薄型テレビ 東芝 1600 1300(▲ 9.7)
パナソニック 1250 900(▲33.3)
携帯型ゲーム機 任天堂 1850 1750( 29.3)
ソニー 1200 1000( 47.1)
携帯電話 NEC 500 430( 2.4)
デジタルカメラ キヤノン 3020 2780( 7.3)
ニコン 2500 2410( 9.0)
※単位は万台。カッコ内は前期比増減率%。▲はマイナス。キヤノンは12月期