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auが「iPad」市場に初参入
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「iPadmini」を手にするタレントの重盛さと美さん(右)と第4世代iPadを手にするKDDIの田中孝司社長 KDDI(au)は30日、米アップルの小型タブレット(多機能携帯端末)「iPad mini」と新型「iPad」の販売を開始した。高速通信サービスLTEにも対応。田中孝司社長はつながりやすさを強調し、今後も「タブレット向けのサービスを強化していく」と力を込めた。
東京都渋谷区の「KDDIデザイニングスタジオ」では、販売開始の午前8時に合わせてカウントダウンイベントが行われ、KDDIの田中孝司社長とタレントの重盛さと美さんが登壇した。
田中社長は「シームレスにつながる環境で、端末が活用できる」と話し、通信状況の良さをアピールした。12月までに関東圏の地下鉄駅内の99%、来年3月までに駅間の90%で高速通信(LTE)ができるように整備するという。
さらに、auの端末利用者が通常使っているメールアドレス(@ezweb.ne.jp)が、「iPhone5」「iPad mini」「iPad」の複数の端末でも使えるサービスを開始。家や移動中、外出先など、生活シーンごとに端末を使い分けるスタイルを提案した。
料金プランも、生活シーンに応じた利用を意識し、多様に設定。自宅で固定通信サービスを利用しているユーザーにはセット割引「auスマートバリュー」、「au」のスマートフォンを利用しているユーザーを対象とした「スマホセット割」などを用意した。加えて、2012年12月31日までに「iPad mini」「iPad」を購入したユーザーは割引も準備。ライトユーザー向けには、月額490円から利用できる「ゼロスタート定額キャンペーン」も設定した。
イベントで田中社長とトークを繰り広げた重盛さんは「今まで、メールで送られてきた台本をiPhoneで読んでいたが、タブレット端末で見れば、スクロールせずに読め、大きくて見やすい」と、同じメールアドレスで複数端末を使える利便性を語った。自分のバックに「iPad mini」を入れ、サイズを体感。本と同じ感覚で持ち歩けることに驚いていた。
KDDIは、現在利用している電話番号のまま、ほかの携帯電話会社へ契約を切り替えることができるMNP(モバイルナンバーポータビリティ)数で13カ月連続首位を走り、携帯電話の顧客満足度調査でも総合で1位を獲得している。
一方、新規契約から解約を差し引いた携帯電話の純増数では、ソフトバンクに及ばなかった。その要因の一つに「iPadの扱いがないこと」が挙げられてきた。
田中社長は「iPadの投入で、お客さまが利用シーンに合わせて端末を選べるマルチデバイス環境が整った」と初参入の手ごたえを感じた様子。広がるタブレット市場については、「来年はタブレットの年。使い方、楽しみ方を提案し、タブレット市場を伸ばす。定額でアプリが使い放題になるiOS版『スマートパス』の強化や、定額で映画やドラマが見放題になる『ビデオパス』の導入を進め、タブレット端末に適したサービスを強化していく」と宣言した。