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カナダからの石炭輸入に再保険 日本貿易保険、電力各社の信用補完
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日本貿易保険(NEXI)が、カナダから石炭を輸入している東京電力など7電力会社に対する信用懸念に対応し、カナダ政府傘下の輸出開発公社(EDC)の輸出保険の一部について再保険を引き受けたことが分かった。
政府筋が11日、明らかにした。電力会社による万が一の不払いリスクの一部を肩代わりする。EDCの保険額に対する再保険の割合は明らかではないが、20%以下とみられる。
原発再稼働が不透明な中で電力各社の財務内容は大幅に悪化し、海外市場から厳しい評価を受けている。今回、カナダ政府から日本政府に対して輸出先リスク補完の要請があり、火力発電用燃料の安定確保の観点からこれに応えた。
NEXIが日本のエネルギー輸入で再保険を引き受けるのは、昨年末にマレーシアの国営石油会社ペトロナスからの東電向け液化天然ガス(LNG)輸出保険に再保険を付けた事例に次ぐ2件目。
今回の石炭輸入の再保険は、NEXIが9月にEDCと結んだ再保険相互協定の第1弾。今後はカナダに進出する日本企業の新興国向け輸出保険や、将来的にはカナダから日本の電力会社向けLNG輸出に適用することも視野に入れている。
日本の2011年の発電用石炭の全輸入量は約1億100万トン。このうちカナダからは約200万トンと豪州、インドネシアなどに次ぐ第5位の調達先で、東電など電力7社が購入している。
原発停止によって石炭火力は重要なベース電源と位置づけられているため、政府は石炭の安定調達の観点からも再保険で側面支援することにした。
これまで国際市場で信用力が高い電力会社向けに輸出保険をつける事例は少なかったが、原発事故以降の信用力低下で電力会社からの支払い回収が困難になる懸念が広がっている。
東電は今夏の実質国有化によって経営破綻の最悪シナリオは回避したものの、10月末に発表した電力10社の12年9月中間連結決算は、低コストの水力発電の比率が高い北陸電力と原発を持たない沖縄電力を除く8社が軒並み最終赤字を計上。原発再稼働の見通しが立たない中で収益改善の道筋がつかず、国際的な信用低下につながっている。