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ミドリムシからジェット燃料 ユーグレナ、実用化へ環境関連事業に注力
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研究室で行われているミドリムシの培養技術の研究 体長が0.1ミリ以下の微細藻類であるミドリムシ。びん毛を持って自ら動き回る動物的性質と、葉緑素による光合成を行う植物的性質を兼ね備える。このミドリムシを沖縄・石垣島で大量培養しているのが、昨年12月に東証マザーズに上場したユーグレナだ。
現時点では食品などのヘルスケア事業が主力だが、今後は本格的な実用化が期待されているジェット燃料や二酸化炭素(CO2)固定化技術といった環境関連事業に注力する。
地球温暖化や原油価格の高騰などに伴って、トウモロコシやサトウキビなどを由来とした自動車用バイオ燃料をめぐる動きが活発化している。一方、飛行機用のジェット燃料は実用化に至っていない。植物から絞り出した油の成分は、ジェット燃料用成分と大きく異なるからだ。
これに対して、ミドリムシを活用した燃料は「軽質かつ高品位でジェット燃料に近い」(出雲充社長)という特性を兼ね備えている。
これを武器にユーグレナは、日立プラントテクノロジー、JX日鉱日石エネルギーと共同で研究開発を推進。日立はプラント建設や燃料抽出技術の提供、JXは燃料の精製を担っており、2018年までの実用化を目指している。技術的な課題はすでにクリア。今後、検証に力を入れていくのが安定供給のあり方だ。
本格的な実用化段階に移行すれば、ミドリムシ由来のバイオ燃料で、ジェット燃料全体の10%分をカバーすることを目標に掲げる。LCC(格安航空会社)の台頭によって、ジェット燃料の使用量は確実に伸びる。このため、より高度な温暖化対策が求められるだけに、ミドリムシ由来のバイオ燃料が環境面で果たす役割は大きいとみられる。
一方、CO2の固定化は、火力発電所の排ガスを用いてミドリムシを培養していくというもの。発電所の煙には350倍の濃度のCO2が含まれ、一般的な植物の光合成が難しいが、ミドリムシは対応できるという特性を生かす。
ただ、石炭は豪州やインドネシアなど産地に応じて、含まれる硫黄分や窒素分が大きく変わってくる。必然的に排ガスの種類も異なり、生育状況にも影響を及ぼす。このため「どんな排ガスでも対応できるように実験を続けていく」(出雲社長)ことが本格的実用化に向けての課題だ。
環境分野のもうひとつの切り札が、清水建設、東京都下水道局と共同開発を進めている水質浄化だ。
国内では約100種類のミドリムシが存在する。その中から食品や燃料といった用途ごとに最も適したミドリムシを抽出し実用化に向けた検証を進めていく。ただ、水質浄化については、どんな汚水にも対応できるといった“万能”なミドリムシは存在しない。それだけに「Aは養豚場から排出される汚水に効く」といったように、ミドリムシの種類に応じて役割が異なってくる。このため、それぞれの領域で、どのミドリムシが最もパフォーマンスを発揮するのかといった部分に重点を置いた研究体制を強化していく。