SankeiBiz for mobile

東海道新幹線、大地震でも3日以内に復旧 耐震対策「やれることをやる」

ニュースカテゴリ:企業のサービス

東海道新幹線、大地震でも3日以内に復旧 耐震対策「やれることをやる」

更新

【現場の風】

 JR東海 新幹線鉄道事業本部工事課長・田畑裕さん(47)

 --2019年度までの約10年間に総額約1200億円を投じ、東海道新幹線の東京-新大阪間で脱線防止策を実施するなど耐震対策を進めている。現場担当者の思いは

 「私は入社して5年目ぐらいで(1995年1月の)阪神大震災があった。(発生時間は新幹線が)全然走っていなかったので良かったが、あの構造物の被災状況を当社のメンバーは経験している。やれることをやっていく」

 --具体的な耐震対策の取り組みは

 「(過去の地震の)波形をもとにしっかり実験し、実際にゆすって解析している。橋脚に鋼板を巻くなどの対策で、阪神大震災クラスの直下型地震が起きても、発生から3日以内で新幹線を復旧できるよう手は打ってきている。(早期復旧には)新幹線が脱線することをいかに防ぐかもポイントになる。ただ、最高速度270キロで運転を再開できるかは、その時にならないと分からない」

 --耐震対策を進める上での課題は

 「人手や資材は間に合っているが、実際に作業ができる時間が少ない。(新幹線が走らない)0~6時の時間帯にやるわけだから。線路などを日々メンテナンス(維持・補修)もしながら耐震補強していく。線路周辺の住民・関係者も踏まえた工事の工程調整などもあり、いかに早く耐震対策を進めていくか、だと思う」

 --東海道新幹線は14年秋に開業50年を迎える。老朽化も指摘されているが

 「そもそも東海地震を前提に耐震設計され、開業後に発生した地震の知見を加え、耐震対策をグレードアップしている。同時に老朽化対策も行っている感覚だ」

 --東日本大震災で大きな被害が出た津波対策は

 「東海道新幹線で海辺を走る区間は、実は浜名湖(静岡県)周辺以外はあまりない。勉強中で、行政などの津波想定が出てからの対応だろう」(西川博明)

【プロフィル】田畑裕(たはた・ひろし) 1990年JR東海入社。小田原保線所所長などを経て、2009年7月から現職。神奈川県出身。

ランキング