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哀愁のガラケー”根強い固定ファン スマホ手放して戻る人も…なぜ?
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家電量販店には従来型携帯電話のコーナーも設けられている=東京都千代田区の「ヨドバシカメラマルチメディアAkiba」 スマートフォン(高機能携帯電話)の普及が急速に進む中、「ガラケー」(ガラパゴス携帯)と呼ばれる従来型の携帯電話が根強い需要を維持している。
シンプルな機能や使いやすさを好む固定的なファンがいるほか、割安な料金体系も魅力の一つとみられ、スマホと併せて所有する「2台持ち」のユーザーも珍しくない。各メーカーも開発を継続し、ニーズに応じた製品を投入している。
東京・秋葉原の家電量販店「ヨドバシカメラ マルチメディアAkiba」の携帯電話販売コーナーでは、スペースのほとんどをスマホが占める中、一角にある従来型携帯電話の展示品を手に取る人も少なくない。
店の担当者によると、従来型を契約するのは30~50代の男性が多く「スマホは使いづらく、電池の持ちも悪い」などが理由。中にはスマホを手放して、従来型に移行する人もいるという。
調査会社のMM総研によると、2012年度の携帯電話出荷台数は4240万台となる見通しで、このうち従来型は約26%と1000万台を超える。
スマホの一層の普及が今後見込まれる中、4年後の16年度も従来型の出荷台数は15%程度を占めると予測しており、需要は底堅い。
MM総研の横田英明・通信アナリストは「メールと通話しかしない人や変化を求めないユーザーなど従来型には一定のファンがいる」と分析。ガラケーは「便利なアプリケーション(応用ソフト)がさらに増えるなど、スマホが生活インフラとして欠かせなくなるまでは消えない」と指摘する。
利用料金の安さも従来型のメリットの一つだ。携帯電話各社の最も安い基本料金プランを高速データ通信「LTE」対応のスマホと比べた場合、「約2~5倍ほどの開きがでる」(大手携帯会社)といい、通話とメール機能に限った従来型の実際の利用料金は月額で「スマホよりも3000円から4000円は安い」(横田氏)とされる。
一定の需要が今後も見込まれることから、国内端末メーカーも本体の薄さやボタン操作の快適さ、長い待ち受け時間などの特徴を生かした従来型の新型機を開発し、順次投入している。
シャープは12年末にNTTドコモ向けに、押しやすいように操作ボタンを盛り上げた「SH-03E」を発売。13年1月には、ソフトバンク向けに防水機能を採用した「パントンウォータープルーフ202SH」を投入した。
NECも待ち受け時間が従来より最大で180時間長い「N-01E」を12年11月に発売し、交流サイト(SNS)「フェイスブック」のアプリに対応する機能も盛り込んだ。
優れた防水・防塵(ぼうじん)性能を誇り、赤外線通信機能などを備える従来型は、今後も進化しながら国内で生き残る可能性が十分ありそうだ。(是永桂一)