ニュースカテゴリ:企業
電機
日本技術を再評価? PM2・5特需 中国でシャープの空気清浄機が売れまくり3倍強
更新
北京・天安門広場のマスク姿の女性=13日、AP 中国の大気汚染問題で、シャープが現地で展開する空気清浄機の販売が、昨年の約3倍の勢いで急伸している。経営再建中の同社は昨年、沖縄県・尖閣諸島を巡る不買運動で主力の液晶テレビの販売が低迷し、中国市場に苦戦を強いられた立場だ。
パナソニックも広東省の工場で空気清浄機生産ラインの稼働率を1・5倍に引き上げたという。大気汚染という“特需”で市場の巻き返しにかかれるというのは皮肉としか言いようがないが、これで中国は日本の技術力を再評価してくれる?
シャープが中国で販売する主力はプラズマクラスターの空気清浄機。プラズマクラスターは、イオンを発生させ、空気中のカビ菌などを除菌するシャープの独自技術を用いた看板商品だ。
中国で問題化している「PM2・5」は直径2・5マイクロメートル以下(1マイクロは100万分の1)という大気中に漂う微粒子の中でもとりわけ極小な物質だ。最近表面化した問題だけに「シャープの製品が対応できているかは分からない」(金融系シンクタンク)というが、それでも、シャープは2013年1月、大気汚染による“特需”で中国での販売台数が前年同期比3倍に増加。同製品を生産する上海工場は増産体制に入っている。
売れ筋は日本円で約6万円する高級機タイプだ。シャープによると、中国では環境問題が深刻化する中、もともと空気清浄機市場が拡大中。12年の市場規模は約100万台とみられる。
市場拡大でシャープの12年の販売台数は前年比2倍(実台数は非公表)が見込まれていたが、突然の特需発生でさらに販売台数を押し上げそうだ。同社広報は「予防策として活用してほしい」と期待を込める。
「大気汚染から身を守るためには空気清浄機を設置すると効果的です」
今月6日、北京市内の在中国日本大使館で開かれた大気汚染に関する説明会。大使館職員が講師役になり、市内に住む日本人の主婦や企業関係者、留学生ら約160人が参加した。
説明会ではPM2・5の危険性のほか、中国で購入可能なシャープ、パナソニック、ダイキン工業といった計3社の空気清浄機を紹介。各社の製品が並べられ、実際に運転させて担当者らが機能を説明した。
参加者からは「どこで買えるのか」などの声があり、需要は今後も拡大しそうだ。
PM2・5による大気汚染は日本各地でも観測され始め、7日には関東各地でも観測された。環境省が観測態勢強化などに乗り出しており、国内需要も高まりそうだ。
「不買運動のリスクは織り込み済みです」
2月1日の決算会見で、シャープの奥田隆司社長は中国市場についてこう述べた。だが、大気汚染による思わぬ特需は不買運動の影響を吹き飛ばす可能性も出てきた。
経営再建中のシャープ、赤字にあえぐパナソニック。円安に続き、後押しする要因になるのか。それには看板商品の性能を中国の消費者らに見せる必要がある。まさに日本の技術の腕の見せ所がやってきている。(中山玲子)