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クックパッド、スーパーと提携 チラシ離れ…スマホで特売情報届ける
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スマホ画面に表示される店員の特売情報。クックパッドは献立作りの支援策として提案している 食品スーパーの店員が自らスマートフォン(高機能携帯電話)を操作し、特売品などのお薦め情報を消費者に届ける-。
そのサービスを提供するのが、料理レシピ(調理法)の投稿・検索サイトを運営するクックパッド(東京都港区)。店舗と買い物客の接点を広げる販促手段として食品系の小売業界に広めたい考えだ。
同社は、1998年から料理レシピの検索・投稿ウェブサイト「kitchen@coin」(現クックパッド)を運営し、月間利用者数が2000万人以上に達する買い物支援手段に育て上げた。今回のスーパーとの連携事業は、その強化策だ。
すでに昨年10月、ニフティやサンケイリビング新聞社などが共同で提供する主婦向けチラシ情報サービス「シュフモ」と連携。シュフモに登録された約9300店舗分のチラシ情報をクックパッドのサイト上で閲覧できるようにした。
その連携策に追加したのが、店舗が買い物客に伝えたいイチオシ情報を、スマホ利用者に広く届けられる新機能だ。
店員は、手持ちのスマホでクックパッドの投稿画面に訪問すると、簡単に写真撮影モードが起動し、お薦めの生鮮食品や総菜などを撮れる。
例えば、主婦が献立を考え始める午後6時に「オーストラリア産ラム肩肉」を撮影し、その食品名と「ヘルシーなラム肉を使って家族で鉄板焼きはいかがですか」といったコメントを入力し、「投稿」ボタンを押す。
この投稿情報は、クックパッド訪問者なら誰でも閲覧可能。さらに無料ID(識別符号)を登録すると、投稿の「新着情報」を常に確認できる。
仮に買い物途中の主婦がラム肉の投稿情報に気づいた場合、店員コメントの下部にある「ラム肉のレシピ」を押すだけで、レシピの一覧画面が表示され、献立作りの参考にできる。
従来、主婦の献立作りは、家庭の冷蔵庫に保存する食材と新聞への折り込みチラシを比較検討することが主流だった。
ただ、新聞離れやインターネットの普及を背景に、紙のチラシに接する機会が少ない人が急増。スマホを生かす集客が、小売業界共通の課題となっていた。
同社ストア事業部流通戦略プロジェクトの藤井亮助プロジェクトリーダーは「一部店舗は、店員の笑顔と商品が入った熱気あふれる写真を投稿していた。投稿機能は価格以外の店の魅力を伝える有効な道具になる」と強調している。(臼井慎太郎)