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「契約縛りイヤ」中古携帯市場に活気 品薄で“レア商品”も
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米アップルのスマートフォンを中心に中古携帯電話を取り扱う店が増えている=東京・秋葉原の「ソフマップ秋葉原リユース総合館」 携帯電話の中古市場が盛り上がりをみせている。スマートフォン(高機能携帯電話)の普及拡大に伴って買い替え需要が高まり、従来型携帯電話の中古品が増えている上、根強い人気を保っているからだ。
市場拡大が見通される中で、業界は認知度向上や適正な販路の拡充など仕組み作りが求められている。
中古携帯電話を扱う東京・秋葉原の「ソフマップ秋葉原リユース総合館」には、米アップルのスマホ「iPhone」をはじめ人気機種が数百台並ぶ。
同店によると、従来型の中古を選ぶ客層は20~30代の携帯電話を使い慣れた人が多く、「契約期間に縛りを設ける通信会社での購入を敬遠する人や、入荷待ちをせずに新機種をすぐに手にしたい人」が買い求めるという。
人気機種では新品との価格差があまりないが、自分の好みに応じた機種をいつでもすぐに手に入れられることが魅力のようだ。
携帯電話の中古品は通信会社の契約者認識カード(SIMカード)を入れ替えることで利用が可能となる。総務省が2007年に、新品端末を安く販売し、通信料金でコストを回収する仕組みに対する規制の方針を打ち出してから中古市場が形成された。
情報機器リユース・リサイクル協会によると、11年度の販売台数は前年比20%増の8万7300台。調査会社MM総研は、流通台数が10年度の81万台から13年度は184万台に拡大すると予測。
電池パックなどの周辺機器を含めた市場規模は「年間1000億円以上」(業界関係者)ともいわれる。
従来型を愛好する客層も中古市場の成長を支える。中古携帯の買い取りや販売店へのコンサルティングを手がける「アワーズ」では、1月のネット販売の5割を従来型が占める。
30代以上の男性や40代以上の女性から「使い慣れた携帯を使いたい」「昔の特徴ある携帯がほしい」などと支持され、販売・修理サービスが終了した従来型を買い求める人は多いという。
三菱電機やNEC製などの一部機種や、人気ゲームがアプリケーション(応用ソフト)として使える機種などは品薄で“レア商品”として扱われることもある。
ただ、拡大する市場も中古買い取りサービスの認知が進まないことから、将来的な中古品の供給不足も危惧される。また、通信会社への代金が未払いのまま売り出され使用ができなくなる「赤ロム品」の売買も指摘されており、買い取り・販売に対するガイドラインの拡充や業界の連携を強化し、市場の透明性を高める取り組みが急務となっている。