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白物家電の国内生産、3年連続マイナス 日本電機工業会の13年度見通し
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白物家電の国内生産額 日本電機工業会(JEMA)は15日、2013年度の白物家電の国内生産額が前年度比2.8%減の1兆5953億円にとどまる見通しだと発表した。歴史的な円高を背景に、家電各社が海外生産シフトを進めてきたことなどから3年連続で前年度を下回る。生産額の減少傾向は今後も続くとみられる。
今年の天候を平年並みとみた場合、エアコン生産が猛暑だった前年度から6.5%減ることが響く。冷蔵庫や洗濯機はほぼ前年度並みと予想した。
一方、13年度の国内出荷額は2兆1256億円と前年実績を1.8%下回るものの、4年連続で2兆円を超える見通しだ。
JEMAの大坪文雄会長(パナソニック会長)はこの日の会見で、日本経済について「株価が上昇し、円高是正や新興国の景気回復から輸出環境は改善されたが、景気全体は下げ止まりの状況だ」と指摘。その上で、13年度について「電機産業全体は堅調だが、成長は見通せない」と慎重な見方を示した。
ただ、白物家電は14年4月の消費税増税を前に駆け込み需要が発生。13年度下期には主要製品の販売が伸びそうだ。
一方で、深刻なのはテレビやブルーレイディスクレコーダーなどデジタル家電の販売不振。地上デジタル放送移行による反動減に加え、韓国や台湾メーカーとの競争も激化しているためだ。
昨年のデジタル家電の国内出荷額は前年比43.0%減の1兆6054億円と10年ぶりに白物家電を下回った。