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サムスン、シャープに複写機買収打診 日本企業の「稼ぎ頭」切り崩しか
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経営再建中のシャープに対し、韓国のサムスン電子が資本提携をめぐる交渉の際に、複写機事業の買収を打診していたことが12日、分かった。
シャープの複写機事業を手中に収めることで、日本企業が上位を占める世界の複写機市場の切り崩しを狙う戦略とみられる。シャープは稼ぎ頭の事業だけに売却に応じなかったが、シャープに資本参加するサムスン電子が経営への関与を強めた後、事業売却を改めて迫る可能性もある。
関係者によると、シャープが打診を断ったのは社内の反対が強かったためという。買収提示額は明らかになっていない。
サムスンはスマートフォン(高機能携帯電話)などに続く事業拡大のターゲットとして、複写機やデジタルカメラに着目。このうち複写機事業は2012年に欧米などで本格的に参入したものの世界シェアは1~2%にとどまるため、シャープの事業買収で基盤拡充を図りたいという思惑が透けてみえる。
同社の複写機事業は、赤字体質の液晶事業とは対照的に黒字を堅実に確保。複写機を中心とした情報機器事業の13年3月期の売上高見込みは2900億円で、利益率も7.2%と高い。
デジタル複写機ではキヤノンやリコー、富士ゼロックスなどに次ぎ世界5位のシェア(データ・サプライ調べ)を持つだけに、シャープは事業を強化し、アフターサービスなどを通じて顧客企業とつながり続けるビジネスモデルを生かす構えだ。
サムスンはシャープの発行済み株式の約3%に当たる103億円を出資し、液晶パネルの供給を受けることで合意したが、シャープが持つ経営資源を自社の事業拡大につなげるため、今後も水面下でさまざまな動きに出る可能性がある。