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西武HD再上場、敵対的TOBの可能性 「日米対決」の行方

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西武HD再上場、敵対的TOBの可能性 「日米対決」の行方

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 西武鉄道などを傘下に持つ西武ホールディングス(HD)の株式再上場をめぐり、同社と筆頭株主である米投資会社サーベラスの対立が敵対的TOB(株式公開買い付け)に発展しそうだ。背景にあるのは売り出し価格に対する思惑の差。より大きな上場益を得たいサーベラスは経営への影響力を高めようと、議決権の3分の1超を確保するTOBに乗り出した。西武HD側は19日、財界人らによる有識者会議を開いてTOBに反対する意思を確認した。月内に正式表明する見通しだ。

 売り出し価格焦点

 「西武HDは公共性が高い鉄道事業を持つ。業績は回復しており、アベノミクスで株式市場は好転、1日も早く(株式の再上場で)流動性を求めたい。西武HDはTOBに反対だしわれわれもそう思う」

 東京都内で19日に開かれた有識者会議で、メンバーの一人である古森重隆・富士フイルムホールディングス会長は語気を強めた。

 西武HDは、前身の旧西武鉄道が有価証券の虚偽記載問題で2004年12月に上場廃止となり、組織再編の過程で06年1月にサーベラスが1000億円超の資本増強を引き受けた。その後は共同で経営再建を進めてきたが、昨年12月をめどとした再上場を前に争いが表面化する。

 焦点は株式の売り出し価格だ。一部証券会社の推計では1株1000~1500円が相場というが、サーベラスの想定はその倍近い2000~2500円とされる。

 価格差が大きいのは、サーベラスが西武HDに経営改善の余地があるとみているためでTOBで現在の持ち株比率32.4%を、最大で約200億円を投じて4%買い増して3分の1超とし、経営への影響力を高める構えだ。

 担当弁護士は「2~3年かけてもっと良い会社にする。200億円は決して安くはなく、それだけ真摯(しんし)に対応したいということ。現状ではガバナンス(企業統治)が心許ない」と米本部の意向を解説する。

 サーベラスは金融危機を背景に本国での投資が不振で、西武HDの再上場でより大きな利益を得たいと考えているもよう。関係者によると同社は複数のリストラ案を提案(表)した。だが西武HDには「全てが無理難題」(幹部)に映る。

 ここ数年の業績が堅調に推移しているという自負もある。13年3月期の連結業績予想は、本業のもうけを示す営業利益が最低でも前年同期比21.7%増の400億円。有利子負債残高は、04年度の1兆3500億円から、12年度は約8000億円台に縮小した。

 中核の鉄道事業は、主力の西武新宿線、同池袋線が地方の不採算路線を補って好調。プリンスホテルは13年3月期に黒字化を見込む。球団を擁する西武ライオンズは昨年3月期に黒字化。球団の主催試合の年間入場者数は、一時は100万人台に落ち込んだが、現在は150万人前後に回復している。

 「日米対決」の行方

 4月下旬を期限とするTOBの成立はほぼ確実だ。ただ保有株比率が3分の1を超えてもただちに経営陣を交代させる効力はない。ヤマ場は6月の株主総会で取締役選任を求める、委任状争奪戦(プロキシーファイト)になりそうだ。

 サーベラスは新任取締役候補として、元金融庁長官の五味広文氏や日本郵政公社(現日本郵政)の総裁をつとめた生田正治氏ら3人を提案し追加する用意もあるという。株主総会で過半数の賛成を得て承認されれば、西武HDは提案されたリストラ案の検討を迫られる。

 今回の対立は、公共性の高い鉄道路線を守ろうとする西武HDと、米国流に経営の効率化と透明性を求めるサーベラスとの「日米対決」とも映る。一方でサーベラスの目的はあくまで投資会社として上場益を得ることで「経営権を握る気はない」(市場筋)との見方もある。

 総会後は、両者で再上場の時期と売り出し価格の「落としどころ」を探る展開になりそうだ。その結果「例えば不採算路線をバスで代替にするなどのリストラもありうる」(証券アナリスト)とみられている。

 ≪サーベラスによる西武HDのリストラ案≫

 鉄道:西武多摩川線、秩父線、山口線の廃止

 ホテル:プリンスホテルのサービス料を10%→20%に

 球団:埼玉西武ライオンズの売却

 開発:JR品川駅周辺の再開発案の策定

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