SankeiBiz for mobile

【直球緩球】全日本空輸・篠辺修副社長「持ち株制で採算意識向上」

ニュースカテゴリ:企業のサービス

【直球緩球】全日本空輸・篠辺修副社長「持ち株制で採算意識向上」

更新

 --4月1日の全日本空輸の持ち株会社化に伴い、中核事業会社の全日空社長に就く

 「平成24年10~12月期の営業利益は過去最高だったが、数字ほど良いという実感はない。秋口から尖閣諸島や竹島の問題で旅客が減っており、(経営再建した)日本航空に財務体質で劣る。競争激化に対応するための持ち株会社化で、環境を考えると楽ではない」

 --バッテリーのトラブルで運航停止している最新鋭機「ボーイング(B)787」の試験飛行が再開された

 「具体的な改善策をボーイングが打ち出し、米連邦航空局(FAA)が検証することになったのは大きな一歩だが、まだ状況を見守る段階だ。FAAが(正式な飛行再開を)判断するこの1、2週間は重要な時期になる。ボーイングには何らかの形で賠償を求める。交渉のテーブルにまだ着いてはいないが、(飛行再開の)決着がつけば話し合いをすると伝えてある」

 --4月末に新中期経営計画を発表する

 「羽田空港の国際化や成田空港の発着容量拡大に備え、(長距離路線により適した)B787を含む(最新)機材への投資を行ってきた。今後も国際線中心に事業を拡大していく。従来の成長戦略に合わせて競争力をどうつけるかが課題。26年度までに23年度比で1千億円規模のコストを削減できれば、(日航など)競争相手との差は縮まる」

 --持ち株会社制導入の効果は

 「傘下の各事業会社は経営の成果が目に見える形で自覚でき、採算意識の向上が見込める。全日空はフルサービスを手がける大手として世界で戦い、トップになれるよう、品質とコスト競争力の両面で勝負していく」(井田通人)

【しのべ・おさむ】早大理工卒、昭和51年全日本空輸入社。整備本部長、常務、専務などを経て平成24年4月から副社長。1日付で社長に就任予定。東京都出身。

ランキング