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シャープ・パナ、製品開発に活路 鉄道・不動産と連携、生活スタイル提案

ニュースカテゴリ:企業の電機

シャープ・パナ、製品開発に活路 鉄道・不動産と連携、生活スタイル提案

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 薄型テレビの販売不振などで業績が低迷する国内家電大手のシャープ、パナソニックがそれぞれ、鉄道・不動産各社と組んで実際の住宅を使った「新たな生活スタイル」を提案するための実験を進めている。両社とも実験成果を今後の製品づくりに生かす方針で、新たな“活路”を見いだしたい思惑も働く。

 「電車はどう?」「東急各線は平常通り運転しているよ」

 問いかけに言葉で答えているのは、シャープが昨年発売したお掃除ロボット「COCOROBO(ココロボ)」だ。

 同社は4月から、東急電鉄の新築賃貸マンション「スタイリオ品川中延(なかのぶ)」(東京都品川区)で、お掃除ロボットを使った日本初の音声情報サービスの実験を始めた。通常の市販品と違った特別仕様品で、ロボットと“会話”をすることで、ロボットがインターネットから天気やニュース、東急沿線などの各種情報を探し出し教えてくれる。

 東急は「住宅生活者の声を今後の住まい作りに生かせる」(加藤久・賃貸住宅担当マネジャー)と狙いを説明。シャープは「日本初のライフスタイルを提案したい」(上田徹・クラウド技術開発センター所長)ということで思惑が一致。12月まで希望する入居世帯に実験に参加してもらい、今後の商品作りに生かしていく考えだ。

 一方のパナソニックは昨年9月から1年間の予定で、三井不動産の「柏の葉スマートシティ」(千葉県柏市)で、葉もの野菜や果物などを栽培できる家庭向け野菜工場の試作機を使った実証実験に取り組んでいる。

 分譲マンションに住む5世帯が実験に参加しており、野菜などを「安心して食べられる」(三井不動産)という評価を得ているという。

 パナソニックは家庭内野菜工場という新型“家電”を今後、「商品化していきたい」(関係者)としており、三井不動産と手がける神奈川県藤沢市のスマートタウンなどにも広がる可能性がある。

 これらの実験を通じ、各社は未来の生活で生まれる需要のヒントを探し出す考えだ。

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