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富士重「HVは独自開発」 加速性能向上、SUVで燃費性能トップに
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富士重工業初のHV「スバルXVハイブリッド」を発表した吉永泰之社長=東京都新宿区 富士重工業は18日、同社初のハイブリッド車(HV)「スバルXVハイブリッド」を7月にも発売すると発表した。人気のスポーツ用多目的車(SUV)の中で燃費性能がトップとなるガソリン1リットル当たり20.0キロを達成。電気モーターにターボチャージャー(過給器)の役割を担わせ、加速性能を向上させた。HVの投入はマツダと並び最後発となるものの、走りを重視した設計で若者らにアピールし、巻き返しを狙う。
富士重はHVで業界をリードするトヨタ自動車と提携関係にあるが、新型車は自社開発した。発進時に電気モーターだけを使う仕組みは他社のHVと同様だが、低速から中速走行に切り替わる際や高速走行時にエンジンと電気モーターを両方使うことで、ガソリン車を上回る加速性能を備えたのが特長だ。価格設定は公表しなかった。
東京都内で会見した吉永泰之社長は「モーターでアシストして走りを楽しめるという提案は、電動化時代におけるスバルの生き方の第一歩。HVは特別な技術ではなくなっているが、このモデルは運転の楽しさを実感できる」と、他社との差別化に自信をみせた。
ブレーキや減速時のエネルギーを電気モーターに蓄えるなどの工夫も取り入れ、燃費性能はSUVでこれまでトップだったマツダ「CX-5」(ディーゼルエンジン車)の18.6キロを上回った。
SUVではなく、セダンなどでHVを出して燃費性能にこだわる選択肢もあったが、竹内明英プロジェクトゼネラルマネージャーは「これまでのHVは画一的なデザイン。購入を見送った人も多い」と、SUVでHVを投入する意義を強調した。
もっとも、HVは既に国内で43車種が販売されており、富士重の出遅れ感は大きい。走行性能を重視して独自色を打ち出したとはいえ、存在感をどこまで示せるかは未知数だ。
また、生産面でも課題を抱える。現在、富士重は北米への輸出が好調なこともあり、国内の2工場は1月からフル操業の状態が続いている。年約60万台の国内生産能力を今夏までに約1万5000台上積みする計画だが、HVが好調な売れ行きとなれば供給不足に陥りかねない。富士重は北米での旺盛な需要に対応するため米インディアナ工場の生産能力の増強を予定しているが、計画の前倒しを視野に入れないといけない可能性もある。(飯田耕司)