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川崎重工と三井造船、統合検討 生き残りへ業界再編加速か

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川崎重工と三井造船、統合検討 生き残りへ業界再編加速か

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 造船・重機大手の川崎重工業と三井造船が経営統合を検討していることが22日、分かった。統合が実現すれば売上高は1兆8000億円を上回り、最大手の三菱重工業に次ぐ規模になる。業界再編の動きが加速しそうだ。

 川崎重工業は、鉄道や航空機、プラント、二輪など幅広い分野に強みを持つ。造船事業は売上高の1割に満たないが、中国に造船所を構えるなど海外展開を進めている。一方、三井造船は油田・ガス田の洋上開発なども得意とするが、造船事業が売上高に占める割合が高く、業績が低迷していた。

 両社が統合を検討する背景には、造船需要の急激な落ち込みがある。造船・重機メーカーは、来年に新たに建造する船がなくなるとされる「2014年問題」に直面しており、生き残りに向け、他社との事業統合など、次の一手を模索している。

 世界の造船需要は08年のリーマン・ショックを機に激減。一方で、韓国と中国のメーカーがコスト競争力を武器に攻勢をかけ、合わせて約7割のシェアを確保。日本勢はここ数年の円高も逆風となり苦戦している。

 新規受注が減り、採算も悪化する中、各社は過去の受注で操業を続けてきたが「14年に受注残がなくなり、造船所の稼働率低下が避けられない」(造船大手)状況だ。三井造船は今月15日、13年3月期連結業績予想を下方修正し、83億円の最終赤字に転落すると発表した。

 こうした中、IHIとJFEホールディングスは1月に傘下の造船子会社を合併し、「ジャパン マリンユナイテッド」を設立。今後ニーズが見込まれる環境技術などの開発力を高め、タンカーから艦艇までラインアップを広げる構えだ。

 三菱重工業も新型天然ガス「シェールガス」の普及で増加が期待される液化天然ガス(LNG)運搬船や付加価値の高い客船に注力。今月1日には今治造船(愛媛県今治市)と、LNG船の設計や販売を行う合弁会社を設立した。

 大手幹部は「単に日本の造船会社が寄り集っても中韓勢に勝てない。特色ある戦略が必要だ」と話す。

 さらに、IHIは合併によって造船事業を本体から切り離し、航空機などに経営資源を配分。三菱重工業も日立製作所と火力発電部門の統合を決めるなど、各社は収益力向上に向け、選択と集中を図っている。

 川崎重工業と三井造船も統合で、造船事業の競争力強化を図るとともに、エネルギーなどの成長分野で、いかに相乗効果を発揮できるかが鍵になる。

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