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シャープ、最終赤字5千億円に拡大へ 25年3月期見通し

ニュースカテゴリ:企業の電機

シャープ、最終赤字5千億円に拡大へ 25年3月期見通し

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シャープ・奥田隆司社長  経営再建中のシャープの平成25年3月期の連結最終赤字が従来予想の4500億円を上回り、5千億円程度に拡大する見通しになったことが30日、分かった。複数の関係者が明らかにした。

 24年3月期の3760億円の最終赤字を上回り、過去最悪を更新する見通し。訴訟の和解金の引き当てや工場の価値低下が響く。

 液晶パネルの国際的な価格カルテルをめぐり、シャープは米欧での損害賠償訴訟を抱える。納入先となった原告の米デルなど3社に約160億円を支払うことで、昨年7月に和解した費用の全額を特別損失に計上する。

 欧州を含め継続中の同様の訴訟が他にもあり、シャープは関連費用を引き当て処理するもようだ。25年3月期でうみを出し切り、26年3月期の最終黒字の実現を確実なものにする考えだ。

 また、シャープは稼働率が低迷する亀山工場(三重県亀山市)を減損処理する。亀山第1、第2両工場の稼働率は25年3月期で「5割程度」(関係者)にとどまったとみられ、収益力が低下した工場の価値を帳簿上より低く見積もる減損処理に踏み切る。

 亀山第1工場は米アップルに液晶を供給しているが、スマートフォン(高機能携帯電話)「アイフォーン5」の販売が失速したことで受注が減少した。また、第2工場も最新鋭液晶の「IGZO」パネルなどの販売が思うように伸びなかった。

 シャープは今月14日、連結決算とともに28年3月期までの3カ年の中期経営計画を発表する。24年末時点で9・6%まで低下した自己資本比率を3年後に15%程度まで高める考え。公募増資などを検討しているが、中期計画では具体的な資本増強策に言及しないとみられる。

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