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「軽」切磋琢磨で市場拡大へ ダイハツ、スズキ、ホンダ…いずれも強敵
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今年度に入って軽自動車の販売攻勢が激しさを増している。4月の軽販売は単月で過去最高となり、車名別ランキングではダイハツの軽「ムーヴ」が首位に躍り出た。軽人気が際立つなか、ダイハツ工業とスズキ、そして「Nシリーズ」で本格参戦したホンダが三つどもえのシェア争いを繰り広げている。
各社とも、エコカー補助金終了による反動減をカバーしようと、燃費のよさや低価格だけでなく、デザイン性や安全性能など総合力をアピールする。
9日決算発表を行ったスズキの鈴木修会長兼社長は、2013年度の軽販売目標について「シェア30%と58万台の販売を死守する」と宣言した。
スズキの12年度の軽販売は58万6000台だったが、今年度はエコカー補助金終了の影響を見込み、前年度比1.1%減とした。
ダイハツも13年度の目標を3%減の63万台に設定。一方で、ホンダは年内に発売予定のNシリーズ第4弾など軽の新車投入効果で、前年度から約4万台増となる40万台超を目指す。
ダイハツは「低燃費・低価格」に加え、ムーヴでは軽初となる衝突安全システムを採用。ホンダの「N-ONE(エヌワン)」は個性的なデザインも手伝い、輸入車からの乗り換えもあるという。対するスズキも、低燃費につながる軽量化技術を追求していく構えだ。
「他社はどこも強敵。ふんどしを締め直して(営業活動を)きめ細かくやっていく」と鈴木会長が話すように、各社が販売面でも切磋琢磨(せっさたくま)することで、今年度、軽の比率(前年度は37.9%)がさらに高まるのは確実といえそうだ。
スズキが9日発表した13年3月期の連結決算は、最終利益が前期比49.2%増の803億円と過去最高だった。
売上高は2.6%増の2兆5783億円。軽自動車に加え、小型車「スイフト」「ソリオ」も堅調だったことも手伝い、国内売上高は初めて1兆円の大台を超えた。