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EV普及へインフラ整備急務 充電料金に格差、ルール作り課題
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千葉市美浜区の湾岸幕張PAに設置したEV急速充電器(右奥)=10日 電気自動車(EV)の普及に向け、充電インフラの整備が課題となるなか、急速充電器の設置場所によって利用料金が異なるケースが相次いでいる。官公庁や高速道路では「無料」とする場所もあるが、1充電につき1000円を徴収されるケースもあり、料金設定のルール作りも今後の課題となりそうだ。
東日本高速道路(NEXCO東日本)は10日、千葉市美浜区の東関東自動車道湾岸幕張PA(パーキングエリア)にEV用の急速充電器1台を設置した。「一般道に降りなくても充電できるため、長距離移動が楽になる」(担当者)利点がある。同社がSA(サービスエリア)やPAに設置した急速充電器は今回が10カ所目で、今年度はさらに6カ所に設置する計画だ。
利用料は設置事業者が自由に設定でき、同社では「普及に向けた実証段階にある」として利用料を当面無料とする。中日本高速道路(NEXCO中日本)の場合は事前登録すれば、管内のSAやPAで、1回の利用料が100円で済み、ガソリン代がかかるガソリン車やハイブリッド車(HV)よりも現状ではお得だ。
急速充電器の整備は、日産自動車や住友商事などが設立した「ジャパンチャージネットワーク(JCN)」や、トヨタ自動車、三菱自動車などが設立した「充電網整備推進機構」が昨秋以降、会員制急速充電サービスを始めたことで進んでいる。 経済産業省が2012年度補正予算に充電インフラ整備のための費用として1005億円を計上したのも追い風だ。
だが、現状では“タダ”から1000円程度まで利用料が混在し、ユーザーにとってわかりづらい料金体系となっており、無料の場合、事業として成り立つのか不透明さも残る。
JCNの武田二郎社長は「(充電サービスを)持続的なビジネスとして成立させるためには、利用者からも適正な料金を頂いて運営費用をカバーする必要がある」と話している。