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川崎重工・三井造船、統合破談 造船業界 新たな再編の呼び水

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川崎重工・三井造船、統合破談 造船業界 新たな再編の呼び水

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 造船・重機大手の川崎重工業が長谷川聡社長(65)ら取締役3人を13日の臨時取締役会で解任し、後任社長に村山滋常務(63)を同日付で昇格させるとともに、三井造船との統合交渉を打ち切ることを発表したことを受け、14日の東京株式市場では川崎重工株が上昇した一方で三井造船株は下落し、市場の評価は分かれた。

 ただ、来年には造船の受注残高が消える「2014年問題」を抱えており、生き残り策を模索する造船各社にとって、両社の破談が新たな再編の呼び水となりそうだ。

 川崎重工株は取引開始直後から買い注文が入り、前日終値比27円高の333円まで一時急騰した。SMBCフレンド調査センターの木谷亨主任研究員は「三井造船の造船所を抱え込むという川崎重工の負担への懸念がなくなり、市場に安心感が広がった」と分析する。終値は13円高の319円だった。

 一方、三井造船は8円安の137円で取引を終えた。連結売上高に占める船舶事業の割合は川崎重工の約1割に対し、三井造船はおよそ半分。三井造船にとって川崎重工との統合は生き残りをかけた有力策だった。

 というのも、08年秋のリーマン・ショックを機に激減した船舶の受注をめぐり、日本と韓国、中国企業を中心に厳しい争奪戦が繰り広げられているからだ。統合が実現すれば、造船所の再編や共同受注による営業力強化など、三井造船の収益力改善が期待できた。

 日本造船工業会によると昨年の世界の船舶受注量は3843万総トンに対し、竣工(しゅんこう)量は9527万総トンと約2.5倍。木谷氏は「需要が本格的に回復するまで造船各社の体力勝負が続く」とみる。

 こうした中、国内造船業界では再編・提携の動きが活発化している。今年1月にはIHIとJFEホールディングスの造船子会社が合併し、ジャパンマリンユナイテッドが発足。

 4月には三菱重工業が、国内造船最大手の今治造船(愛媛県)と液化天然ガス(LNG)の運搬船を設計・販売する合弁会社を設立した。三井造船も新たな提携先を求めて動く可能性がある。

 造船・重機大手の売上高

 (1)三菱重工業   2兆8178

 (2)川崎重工業   1兆2888

 (3)IHI     1兆2560

 (4)住友重機械工業   5858

 (5)三井造船      5770

 (6)日立造船      2967

 ※単位:億円、2013年3月期連結決算

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